1114 瀬戸内へ旅行した6 / 宮島

瀬戸内旅行

JTBへ予約しに行った際「あの~、いまは大鳥居が改修中でネットで覆われてるんですがよろしいでしょうか?」と聞かれた。現在の大鳥居は140年以上経過し、昨年6月から大規模な保存修理工事中だった。まだ2~3年はかかる見込みということだから仕方ない。残念だけど赤い大鳥居はTVでも見れるから行きましょう、てことにしたわけた。

フェリーで宮島へ

宮島へ渡るのは「JR西日本宮島フェリー」。 「両頭双胴船」だから船の頭と尻の区別がない。運ばれる車は船の一方から入り反対側から出る。広島駅で買ったJRのチケットはフェリー運賃込みだから見せるだけ。なかなか合理的だ。宮島へ渡るのはフェリーで2kmほどだから、またもやアッという間に着いた。

連絡しておいたから、フェリーを降りると宿のお迎えが待っていた。「山側を走りますね」といってグイグイ山道を登っていった。海沿いの通りは観光客が多いからそれを避けるためだという。「自然散策道うぐいす歩道」というそうな。対抗車が来たら譲り合うような狭い山道(下図の青点線)をボンゴ車で進んだ。

岩惣に着いた

旅館の岩惣は厳島神社から5分ほど登った位置にある。常連客も多くなかなか予約がとれない老舗旅館。11月中旬からはモミジが 紅葉するから宿はすでに予約で満杯 。紅葉前のこの時期だからやっと予約がとれたというもの。
岩惣は、岩国屋惣兵衛が安政元年(1854)「弥山」に向かう「もみじ谷」の開拓と手入れを承認され宿を創業した。明治の中頃から皇室や文筆家がこぞって宿泊するようになった。「なにかお客様に岩惣でしか味わえないお茶菓子をお出ししたい。」と、カステラ生地の中にこしあんを入れたまんじゅうを考案、それが高津堂の主人に制作を依頼して誕生した「もみじまんじゅう」だった。

部屋は普通の和室。でも窓の外は一面の原生林が間近に迫る。これが紅葉に染まったらすばらしい景色だろう。特筆すべきは浴槽の縁がヒノキと黒みかげの大浴場。 川(滝)の音を聞きながら原生林を間近に望む露天風呂はめったに味わえない。ここはパノラマ的な広々した展望を楽しむ宿じゃなく、自然に取り囲まれる喜びを味わう宿だった。

部屋づきの仲居さんの着付けが違ってた。大抵の宿は普段着の和装なのだが、ここはワンランク上の改まった和装で、ビシッと決まってた。部屋での夕食は評判通りの華やかさ。大きな蒸しガキと柔らかな牛肉。まともな和食は見た目も美しく繊細な味わいで、ホントに凄いものだと思うな。

おー凄い! 朝の厳島神社

翌朝七時すぎ、浴衣に羽織がけ雪駄ばきで散歩した。昨日の雨もすっかり上がり、清々しさの中を海岸へ歩いた。
「おー、スゴイ! 海が干上がっとるゾッ」

厳島神社の本殿はもとより大鳥居のすこし先まで海底が剥き出しだ。
その日の干潮時刻は7:40分過ぎだから汐がまだ引いてる最中だった。 残りの海水が沖に向かってチョロチョロと 流れ、ちっちゃな蟹がウロウロしている。
こりゃ面白い!。海底? 浜? の砂は案外しっかり締まっているから雪駄でも歩けそうだ。歩道から降り、雪駄をペタペタ鳴らしながら 大鳥居の下まで行った。足場で囲われてるから内部の鳥居はほとんど見えない。でも鳥居の巨大さだけは存分に堪能した。

ところで、「う~ん、こりゃ川俣正のインスタレーションみたいだな」と思った。 足場に囲まれていた修復中の原爆ドームも同類だ。 川俣正氏のインスタ作品だと言われても納得するのでは?、だって見た目から言えば一緒だもの。 機能を持たない囲い込みインスタをするよりも、こういう文化財修復とコラボしたらどうなんだい? 川俣さん。それから指向性から見れば、機能を考えないでアートするあの建築家とお友達だってことだな。

汐の干満が、一日2回を初めて知った

「本日の潮汐」(10/23) 満潮1:05、14:55、干潮7:44、21:01
「えっ、 満潮・干潮 って一日に2回ずつあったの?」
てっきり一日に一回ずつだと思ってた。奥さんも「え~そうなの?」って二人して驚いた。

弥山からおりてきたら2時頃だった。
「や~、海になっちゃったぞ! すごいな朝の景色とゼンゼン違うぞ」
6時間前に、こんな海中?をペタペタ歩いていたなんて思うと、潮の満ち干はなんとスゴイものだろうかと感激した。そしてこれまで干満が日に2回あることも知らないでいたなんてチコちゃんに叱られるな。

獅子岩展望台は「超絶景」

ロープウェイ乗り場への無料送迎バス(上記、案内絵図の赤線)に乗った。
「岩惣」の前から乗車すると5分もかからずにロープウェイ乗り場下に到着する。弥山に登るロープウエイは乗換えが必要。 8人乗りで約10分間乗ると、つぎに少し大きめのロープウェイで5分間。 2つ合わせても所要時間は15分 。 快晴の中をゴンドラが昇るにつれて雄大な眺めが拡がってくる。

到着した「獅子岩展望台」はとんでもなく絶景だ!とても嬉しかった。
いっぱい島がある。どれがどの島かを示す名前と覗き筒とがあるのだが、なかなかわからない。iPadの地図を操作しながら、奥さんと二人でアレヤコレヤと探索していたら展望台に一時間も居てしまった。

始めは、この先は四国だろうと思っていたのだが、じつは江田島だった。江田島は大きかった。

日本三景の真価は弥山頂上の眺めにあり

そう言ったのは宮島の弥山(みさん)を愛した伊藤博文 。頂上からは獅子岩展望台よりもっとダイナミックな景色を臨めるのだろう。だが、ロープウエーの終点から弥山山頂までは徒歩で30分ほどかかる、しかも10分下ってから、また20分登るとある。
戻ってきた人を観察すると若い人でも息せき切ってヘバッてる。それを見て即頂上登山はあきらめた。

弥山山頂は、遥か彼方だ。往復1時間はぜったいに無謀だ。

もみじまんじゅう攻撃

広島と言えば「もみじ饅頭!」。 それまで広島県民にとってもあまり馴染み無く「宮島に行きゃぁ売っとるよ」という程度の存在だったものが B&B の 島田洋七が偶然発した 一発ギャグ がうけ、全国区になった。

宮島のメインのお土産通りは開閉式の屋根シートがついた「表参道通り」。コロナにも関わらず黄色帽子をかぶった小学生や高校生らしい一団で通りが埋め尽くされていた。ほとんどの店がもみじ饅頭を前面に押し出している。右も左ももみじ饅頭だらけ、しかもクリームやらチョコレートやらバリエーションがいっぱいある。とりわけヒットして行列してたのが「揚もみじ」。油で揚げて食べ歩きしやすいよう軽く紙に挟んで串に刺したもの。値段はなんと190円。ふつうのもみじ饅頭の100円に比べると暴利だ。でも縁起物だから食べてみた。揚げた味が けっこううまかった。

GOTOのおかげです

観光客がひしめく「表参道通り」を突き当りまで散策してから、タプタプになった海を見ながら海岸沿いを厳島神社へ向かった。海面に浮かぶ?真っ赤な寝殿造りは観光客でいっぱいだった。
それにしても、 仁安3年(1168年)に平の清盛が 創建したとのことだが、850年前によくぞこんなトンデモナイ建物を作ったものだ。そして台風や高波に耐えて建ち続けたものだ。

岩惣まで戻り荷物を引き取ってから送迎車で「 うぐいす歩道」を使ってフェリー乗り場まで送ってもらった。
< どちらを周って来られたんですか? >
と聞かれたから「倉敷から直島を経て…」と応えた。
< そうですか、 ウチには昨年まで平日は海外のお客様ばかりでした。みなさんウチに泊まってから直島へ行かれましたよ。>
< 昨年までは日本人のお客様はほとんど土日だけでした。でも今年は平日も日本人の方たちにご利用いただいてます。 これもGOTOのおかげです。>
だって。

仕上げは「 かき飯 」だ

帰りには新幹線の中で駅弁を食べることにしていた。
昨日、 広島駅でお好み焼きを食べた後で、弁当屋さんに聞いたらカキ弁当は夕方には売り切れてるということだった。だから、明日の夕方受け取るからと、「しゃもじかきめし」と「瀬戸のかきめし」の取り置きを予約しておいた。厚岸の牡蠣弁当より大粒のカキで、ご飯がすごくモッチリしていて美味しかった。

GOTOトラベル「地域共通クーポン」でおみやげ三昧

国が旅行代金の最大35%を補助する「Go To トラベルキャンペーン」。 それに加えて 、10/1日以降開始の旅行には旅行代金の15%相当が「地域共通クーポン」 として付与された。 今回旅行のクーポンは2万5,000円だった。旅行期間中に限り使用可能だから使い切らないと意味がない。

我が家は、ふだんは旅行でお土産をはとんど買わない。だからせっせと使わないとムダになってしまう。 額面1枚1,000円単位で発行し、お釣りはでない。 タクシーで1080 円ならクーポン1枚と80円。直島へのフェリーは片道 300円(往復割引 570円)だから往復✗二人でクーポン1枚と140円 。いろいろ工夫しながら使った。
児島に宿泊した際に5,000円分のクーポンをホテルで渡された。これは岡山県と隣県でしか使用できない。広島へ移動してからでは使えない。
「しゃ~ないな直島で土産を買いまくろ~」
<4,000円以上お買い上げなら送料無料>とのことなのでいっぱい買って送ってもらった(上写真)。

宮島のおみやげ屋には、チマチマと寄せ集めた<おみやげ千円 セット>があった。ねらいは小学生にクーポン1枚で大人買いさせようとの魂胆だった。これには苦笑したな。

これにて瀬戸内旅行、おわり

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