0628 楽園としての図書館

生活づくり

近くに図書館がふたつある。
「神奈川県立図書館」と「横浜市立中央図書館」だ。
前者までの距離は600m、後者へは1000m。
自転車で行けばアッという間だ。

県立図書館

「神奈川県立図書館」は1954年開館。
この建物は図書館と音楽堂が併設された、当時としては斬新な構想だった。
設計者は、ル・コルビジェの元で学んだ前川國男氏。
彼は、第二次大戦後のモダニズム建築を牽引した人物として知られる。
この図書館は『日本の近代建築20選』に選ばれるなど高い評価を得ている。
残念ながら、現在は外構の修復工事の最中だから外観は望めない。

さて、中に入って驚いた。
壊れそうな壁と階段。エアコンの音がブンブン唸ってる。
普通の感覚からいえば「酷い状態」だ。
 <古典的な図書館ですよ>
 <研究書や専門書がメインで、娯楽向けの書籍はほとんどありません>
たしかに、建物も所蔵図書も一癖あるものばかり。
しかし、開放的で広大な吹き抜け空間にはどこか清々しい知性が感じられ、落ち着く。

それに対して「横浜市立中央図書館」は極めてモダンな趣の建造物だ。

横浜市には一つの区に一つの図書館がある。 
ここは、市内に18ある市立図書館の元締めにあたる
 <アーバンな雰囲気の中で優雅に読書タイムを満喫>
 <あらゆる市民に向けて、身近な本を広くまんべんなく揃える>
近代的でオシャレな空間の中でゆったりした時間を楽しむ感じだ。

でも、私は「県立図書館」の方が好みだ。
エアコンがうるさかったり、エレベータがポンコツだったり
とにかく古臭くて汚いのだが、一度で気に入った。

双方の図書館とも、お客さんは「シルバー爺さん」ばかりだった。
まさに年寄りの楽園だ。
全く性格が異なる二つの図書館が、歩いて10分の距離にあることは、とても面白い。
楽園が二つもあることはとっても幸せだ。

散歩を兼ねて、週一で通うことになりそうだ。

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