1018 九州-3◆雲仙温泉で小地獄をみた

九州旅行

私は九州には関心がなかった。だから「雲仙」がどこを指すか分からなかった。
「天草」は島、「雲仙」は島原半島にあり、その中に島原市・南島原市・雲仙市がある。
「雲仙温泉」は、周辺7町が合併した「雲仙市」のうちの旧小浜町にある。だから住所は雲仙市小浜町雲仙。ヤヤコシイけど、とにかく昔から有数の温泉保養地だ!

フェリーを降りて、島原鉄道で始発の「島原港」から終着の「島原駅」まで乗った。
乗客は私たち含めてわずか4名、その間2駅しかないふしぎな列車だった。
島原駅の正面にドーンと「島原城」が見えた。
「おおッ、立派なお城じゃないか!」 

私は「島原の乱・天草四郎・原城」だけ知っていたから、それらがゴチャマゼになって、
「島原城」は「原城」のことで、石垣程度しか残っていないものだと思っていた。
しかし「島原城」は、周りを水堀で囲まれ、高くて頑丈な石垣の上に、
五重の屋根をもつ、それはそれは見事な城だった。
ぐるり一周して、武家屋敷などの街並みを歩いた。市内に湧水群があるとのことで、
飲み水が抜群に美味しくて感動した。

偶然「まちの寄り処 森岳」なる店を覗いたら「まちの駅」とのことで、
めっぽう話し好きな 管理人のオヤジが説明してくれた。
 <ここは島原で一番古い建物、いまある武家屋敷街は「下級武士」が住んでたんだ。
  だから小さくて萱ブキだっただろ。
  「上級武士」の大きな屋敷街は、もっとこっちにあったのさ。
  でもそれは壊してしまって残念。行政の失敗だ!>

観ただけでは分からない話が聞けるのは面白かった。

バスで30分ほどクネクネ山道を登り「雲仙温泉」に。
山の上の「小地獄入口」バス停で下車した。
湯けむりがたち、いかにも温泉地の観光スポットであることを感じる。
雲仙地獄巡り」はグルッと一周して約60分だった。

噴気地帯めぐりといえば、登別地獄谷、箱根大涌谷の地獄谷巡りがある。だがなんと言ってもここまで行かせてよいの?…って思うほど、噴気孔をすぐ近く見れるワイルドさでは川湯の硫黄山が一番だな。

翌日、乗合いタクシーでロープーウエーへ。
普賢岳は1990年に噴火して1995年まで継続した。火砕流が激しく流れ溶岩ドームが形成されるさまをTVで見た記憶がある。目の前にその結果の「平成新山」がそびえていた。
「うーん、これもまたスゴイもんだ」

その後、「雲仙お山の情報館」に立ち寄った。「火山と温泉」をテーマに雲仙火山の地質構造や温泉地の泉質を壁画展示している。ジオラマを見ていたら職員のオッチャンがすごく丁寧な説明をしてくれた。
「40人ぐらい亡くなったんですよね」
 <住人はみんな避難してたんですよ。でも報道関係者が入り込んできて空き家に入ったりしてたから警戒に当たっていた消防団員、連れてきたタクシー運転手、パトカーで来ていた警察官なども巻き込まれたんですよ。報道関係者による人災だから、その詳細が広く知られることがなかったんですよ…>
 <2階に、九州大学の先生が監修した雲仙温泉の地質や泉質のすごく詳しい説明パネルがあります。でも専門的すぎて誰も理解できないんですよ…>

やっぱり、地元の人から直接聞く話はオモシロかった。

あしたにつづく

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