石橋財団が運営するアーティゾン美術館は、「ミュージアムタワー京橋」の1~6階。 1階にエントランスロビーとミュージアムカフェ、2階にミュージアムショップ、3階にメインロビーとレクチャールーム、展示室は4~6階に配置されている。ちなみに10~22階はオフィスフロア。
展示室は6Fからスタートする。1Fのロビーからエスカレータを乗り継いで6Fの展示室まで昇る。3Fの乗り継ぎの際にセキュリティゲートがある。ここでスマホに保存しておいたQRコードのウエブチケットを見せて入場した。
6Fに着くと 無料音声ガイドアプリのご案内があった。 QRコードで 読み取って、①Wifiに接続、②美術館アプリをインストール、③BluetoothをON、④位置情報を許可、そしてイヤホンをご利用してください、とある。これまでなら私は「メンどっちいから、パス」なのだが、今回はチャレンジしてみた。「うーん、これで良いはずなんだけど…な」アプリが表示されない。もう一度。「うーんヤッパリうまく行かない」 モタモタしてる私の脇を、 < こういうのッテ、うまく出来ないのよね >そう言いながらおばさま方が通り過ぎていった。 しかし今回は粘って3度目の正直で成功! 。7~8分もかかってしまった。じつは何をどうしたのかよく分からなかったのだが…。 で、 無料音声ガイド を使った感想は、「こんなモン、いらん!」
作品に近づくと勝手に解説用の画面と解説文が切り替わって表示される。タッチすると音声解説が始まる。ユビキタス (*) のようで、機能自体には感心するのだが、普通のキャプション内容がスマホ表示・音声化されただけ。作者や作品の説明をありがたいと思う人もいるだろうが、私にはかえって邪魔だった。
3フロアの展示室は、面積は従来のブリジストン美術館の約2倍、天井高は1.7倍になった。各フロアはエスカレータで結ばれ、まるでMOMA(NY近代美術館)のミニ版のようだ。
開館記念展は、「見えてくる光景 コレクションの現在地」という所蔵作品による206点(このコピーはちとセンスないな)。作品の半分以上がすでに見慣れたものだったから、今回はむしろ設備ばかりを見て廻った。天井高があるから空間がすごくゆったりしてる。 壁面と展示パネルの間が空いていて開放感がある。 壁面に対して45度に配置した展示パネルは、箱型の90度配置に較べて動線 が変化する。 床板が幅広でわずかに隙間があるので、後で調べたらこの隙間を使って空調してるとか。 きっとそれ以外に見えない部分にも最新設備が施されていると思う。斬新で驚くような設備はほとんど気づかないけれども、圧迫感が無く全体的にとてもバランスよく感じられる。気になるところが無いってのが実はいちばん大事。だからそういう意味で アーティゾン美術館 はとってもよく考えられた設計だと思った。
ところで、お客さんが入り口に、もっとワ~っと並んでるかと思っていたのだが全然ちがってスカスカだった。予想に反して観客が少なかったから拍子抜け。そういえば昔のブリジストンMのころも、そんなにお客さんがいなかった。だから居心地が良かったのかもしれない。
一通り見終わるのに一時間弱だった。日本の私設美術館はいずれも小規模だから、「もう終わり」って、見終わった後で少し物足りなさがのこるのだが、この規模ならば十分に満足感がある。そして、今回はコレクション展だから「写真OK」ってハッキリ書いてある。どこかに出かけたら直ぐに写真を2~300枚撮影しちゃう私です。嬉しくって撮りまくってしまったよ。それだけでも気持ちよかったな。
さて、驚いてしまうのが今後の計画だ。
オープンした「ミュージアムタワー京橋」は、階数:23階/地下2階、高さ:150m。隣の工事中のスペースに、永坂産業+戸田建設による、28階建て約180m級の高層ビルが2024年竣工予定だという。そして、当街区を「京橋彩区」と名付けて新しい「まちに開かれた芸術・文化拠点」として運営するという。
< 気軽にアートやクリエイションに触れられるギャラリー、アーティストやクリエイターを支援するコワーキングスペース、イベントホールなどを整備。従来の美術展とは一線を画すクリエイティブなコンテンツを専門的に扱う施設を目指す。具体的な分野としては、音楽、映画、アニメ、建築、現代アートなどを想定しており、豊富なコンテンツを有するソニーミュージックグループを核として、新聞社やテレビ局、広告代理店、出版社等と協力して、話題性と集客力に富んだ展覧会を開催します。 >
東京駅の八重洲口側は、これまで文化施設がほとんどなかった。
オッと、これから面白くなりそうだ、そういう意味で仰天した。
「京橋彩区」https://www.kyobashi-saiku.tokyo/
*関連ブログ紹介 https://21stcenturyxxxman.blog.fc2.com/blog-entry-2448.html
(*)ユビキタスネットワークとは、ユビキタスコンピューティングを前提として、コンピュータを内臓されたモノ同士が生活の全ての空間において通信し合うことを目指した構想。