国立新Mの今年の企画スケジュールを確認しようとした。
「アレー!、Oサカさんが国立新Mの館長だ!」
横浜Mの館長だったOサカさんには、そのうちに会いに行こうと思っていたのだが、彼女は遥か遠くへ行ってしまった。( 横浜Mの新館長は暗闇か? )
私がはじめてOサカさんに会ったのは27年前。Oサカさんがフクさんと二人で企画した若手の意欲的な学芸員を対象にした、MOMAでの研修会だった。ヤノワイン氏の講義やアメリアのワークショップ、メトロポリタンMの子供向教育参観やニューミュージアムでの現地スタッフによる解説など、スケジュールがしっかりが組まれており、とっても豊かで刺激的な体験ができた。
【 このあたりのことは「美術館と学校」… 参照。 】
参加費は35万円程で私の給料の一ヵ月以上だった。当時は パックのニューヨーク旅行が15万円程だったから「高すぎるからなあ…」 グズグズ言ってたら家内が言った。
< 行きたいんでしょッ、行ってらっしゃいよ。必要だと思ったらお金は使うんだよ。年取ってからお金残しても仕方ないでしょ。 >
ケチな私も、家内に後押しされて「うう…、じゃあ行ってみようかな…。」
当時、MOMAの美術館教育は世界のトップだと言われていた。私は研修をとり自費で参加したが、他の 学芸員参加者は「研修が認められないから年休とって来てるんです…もちろん自費です。」まだ当時は、美術館学芸員にとっての教育普及活動は立場が厳しかったわけだ。
私は、そこで最も進んだ状況を体験できた。
それまで私は鑑賞教育方法には何か特別なノウハウがあるのではと思っていた。でもそんなもの無かった。指導の方向性を明確にもち通常の言葉のやり取りで進めることで十分なことが理解できた。
「そうか、こんなもんなんだ…」スゴク自信がついた。 おかげでその後、実践を積み重ねながら鑑賞教育論文をいくつも書くことができた。
最も優れたもの、最高のレベルを体験し味わうことが、物事を理解する上でいかに大切でしかも早道であるかを知った。さらに、そこからどれだけの自信が得られるかも学んだ。食事にしてもファッションにしても同じだ。中途半端なものを多く体験 してもダメだ、一番すぐれたもんを一度味わうだけでその世界が見えてくる。
そんな機会を与えてくれたのが、Oサカさんとフクさんだった。研修会参加者は十数名。ほとんどは学芸員で、私のような立場の者はいなかったからきっと覚えてくれてるだろう。いつかお礼を言いに行こうと思っていたのだが…。
ところで横浜美術館 へは歩いて行けるのだが、 私はこの一年で 特別展は皆無で常設展に一回しか行ってない。だって興味を惹く 特別展がなかったから。そして、横浜美術館がこの秋から2年半の改修工事に入るという。 長いお休みだな。せっかく横浜美術館の近所に来たんだけどね…
*【フクさん 】 https://www.nttcom.co.jp/comzine/no026/wise/index.html