<再録> 2016年「若冲展」混雑レポート

街と文化

4年前の2016年5月に開催された「若冲展」は、恐怖の2時間20分待ちだった。
今年、2020年8月には、都内のいくつかの美術館に、コロナ対応によって<日時指定>< 入場者制限>のチケットの事前購入が導入された。会場内はガラスキでゆったりジックリ鑑賞できるようになった。

「若冲展」 の、あの炎天下のなが~い行列、会場内のラッシュアワー状態は一体何だったのか?
おそらくもう二度とないことを願いつつ、

記憶遺産として、 以下に 去に書いた記事を再掲した。

「若冲展」があまりにも混雑して悲しかったので報告します

5/17~21  まで東京出張でした。20日に上野の若冲展へ… 
予想はしていたものの、恐るべき行列
。 上野公園の中央部まで延びる行列!私が上野公園に着いたのは17:30だった。 通常は17時閉館だが、きょうは金曜日のため20時まで開館。33日間の会期で5月24日終了のため残りあと4日。
夜間開館時なら…混雑はまだいつもよりマシだろうと… みなさん同じように考えるようで、混雑は変わらず。
210分待ちとは、3時間半ってことですね。
「19時半まで並んだ方は入場できます」とのことであったが、ウ~ム、今日はすでにいろんな所を歩き廻ってきたから疲れてる。
今日は断念!
私は、歩いて20分のホテル泊だから、「朝一番に並べば大丈夫だろう
あきらめて、翌朝、再チャレンジすることにしました。 

5月21日 朝7時 朝日が眩い。

翌21日、再挑戦した。
ホテルのモーニング食は、7時スタートです。 私はモーニングも食べずに 6:20にホテルを出て、 途中の、24時間営業の「富士そば」で、かけソバを食べてエネルギー充填。
朝7時に都美術館のゲートに到着したのだがすでに300人は並んでいる。
こんなにも早く、この人たちは、どこから・どうやって来たんだろうか?

警備の方にお尋ねしました。「先頭の人はいつから並んでるの?」
< 3時いや2時からでしょうか…>
ゲートの前に、椅子やシート持参した猛者たちの図。こうした光景が、連日続いていたという… 

行列を説明します。▼=ゲート位置●=私の並び始め位置赤線部分は屋外青線は建物内。この並ばせ方は、日によって違っていたようだ。 5月だったからまだ良いものの、真夏や真冬だったなら急患続出だったろう。 先週は雨の日が多かった。「雨ならば、少しは混雑しないのでは… 皆さん考えは同じで、効果なしだったそう
本日は、快晴、20度、そよ風、絶好の行列日和ですね。今日の行列は、どこまで延びるやら?

私は7時20分に行列に参加した。先頭からは、300メートルくらいかな。入場開始予定は「9時」ってことは、この位置は9時まで移動しないってことです。
私の周囲の人々は、レジャーシートや簡易イスでリラックス。
「運動会の場所取りみたいね」って声も聞こえてきた。皆さん、相当の覚悟で来てるから、並ばせられることへの不満も疑問も、皆無ってところが面白い。

8時過ぎ、とつぜん列が動いた。
「開館したんじゃないの?」
本来の開館時刻は9時半。でも昨日は9時に開館したそうな。
「さらに1時間早めて開けたんだよキット」

列の後ろを見ると8時の時点で、もはや最後尾は確認不能になった。まだまだ、続々と観客の群れが押し寄せてくる。恐ろしさを感じる。さすがに子供連れなんて皆無です。
私は、退屈しのぎに、隣の70代の夫婦とおしゃべりしながら待ちました。
< あんた、若冲って、以前から知ってたの?>
って聞かれたから「ハイ」って答えた。
< オレ、全然知らなかったヨ、家内が行こうっていうから来たんだ。 オレ、みたいのまで見に来ちゃうんだから、混雑しちゃうはずだよな。昨日来たけど諦めて動物園に行ったんだ。今朝は5時半に家を出てきたんだ >
別のおばさんも < 私も昨日来てあきらめて、また出直したのよ。今日はイス持って来た >
「なんだ皆さん、同じようなんだね」と笑った。

私の位置が、やっとゲートに近づいた。このあたりで、急に列がクネクネと折れ曲がり始めた、距離をカセグためだろう。少し暑くなってきた。
< 日傘は要りませんか? >
係員が、台車に日傘を一杯乗せて配ってる。
紙コップとウオーターサーバーの「給水所」が数カ所ある。
運営側としては「熱射病対策を配慮してますよ」ってことですね。

2時間20分かけて、ついに会場に入場できた

ゲートを超えても、ここをさらに一周させられる。まるで、マラソンがゴールするスタジアムのようですな。その後、屋外エスカレーターで地階へ。ここまで来ると、「先が見えて来たねー」との声が聞こえ、皆さんの顔が明るくなる。
私が建物に入れたのは、9:20。並び始めて、2時間が経過していた。屋内に入ってからは1列に10人程がならばせられ約200人ごとに区切られる。赤い看板を目にすると「よく、我慢したナ… って、自分を褒めたくなる」建物に入ってから20分経過。モギリのお嬢さんに、しずしずとチケットを差し出す。9:40ついに会場に入場できました。
さあ、この膨大な観客を、次々と飲み込んでいく会場はどんな仕組みなのか?果たして、若冲の作品はマトモに観ることが出来るのか?

展示会場に入る。
ネット情報によると「最初の第一室は無視して、上の階へ上がれ」とあった。
確かに上に上がると、会場内はそんなに混乱していない。作品によって混雑してるところと、空いてるところのムラがある。屏風や襖絵の前は、こんな感じでけっこうゆったり目です。

「動植採絵」30点は今回一番の「目玉」です。1Fの一室全部をつかってグルりと取り囲むように、オシャレに展示されている。
「右側から見て下さ~い」
「空いているところからみてくださ~い」

通常警備の3倍の人数がいる誘導係員が、必死に声をかけている。有名どころの作品には、まるで砂糖に群がるアリのような状態。よくぞ小競り合いが起きないものだ。どうやらチャイニーズはここまで侵入していないようだった。

動線無視の、おバカ展示だな

とはいえ、30点の「動植採絵」は、それぞれの作品間隔が1メートルほどしかないため人の流れが極端に悪い。最前列の人はほとんど動けない。2列目のひとは、前列のスキマから覗く感じ。3列目以降の位置からは、タテ長作品の上3分の一ほどしか見えません。
係員が、動くように呼びかけるのだが、満員電車状態のまま。これはどう考えても、オシャレに展示したでしょっていう見栄え優先展示だ。観客移動の動線が全く無視されている。 
おバカさん展示ですね。
今回展の、もう一つの目玉は、デジタルふうドット絵で描かれた巨大な「鳥獣花木図屏風」。あの、ゾウさんの屏風絵ですね。ここもまたラッシュアワー状態で近づけない。人の頭で「絵がほとんど見えない」

私は会場に1時間ほどいましたが、全作品数のうちの「三分の一」ほど、しかも「画面上部半分」が見られたかどうかって感じでした
でも、図版からは得られない、画面の四隅まで張り詰めた徹底描写を眺められただけでも嬉しく思えました。 

「観客も」「作品も」とっても可哀想

こんなに巨大規模の若冲の展示は、おそらくもう無いでしょう。そして、こんなに酷い混雑した展覧会も、もうこれきりにして欲しいですね。
これだけ酷い状況であっても、会場では多くの観客が文句も言いません。それほど若冲の作品の素晴らしいイメージが、見る人の心に響いたからなのでしょう。

私も、久しぶりに、ステキな絵描きの心に触れて、胸が熱くなりました。本物の絵描きさんによる「ホントの絵」の素晴らしさを実感しました。作品の上の部分しか見えなくても、幸せを感じました。

前日は、1万人の予想が、1万7千人の入場者だったそうですよ。
この行列と混雑では、「観客も」そして「作品も」とっても可哀想です。何とかしなくてはいけません。

4年前、ニューヨークのMOMAで特別展の「マティス展」を見ました。すぐに入れる時間指定の券を渡されました。時間が来るまでMOMAの「常設展示」をみてから、指定時刻に「マティス展」へ。人数調整された会場ではゆったりと鑑賞出来ました。

デイスニーランドのファストパスみたいな方法など、すでにいろいろな観客重視の方法が取られています。いったい、東京都美術館は何をやっとるのか?? 都美術館は東京都の運営ですな。そして、今の都知事の舛添さんは、なんと自称、美術愛好家だそうな…  
きっと、本物の愛好家じゃ無いだろうケドネ

若冲展」があまりにも混雑して悲しかったので報告しました。
おしまい

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