0905 「勝手にバンクシー展」すれば?

街と文化

美術誌からの情報いまや皆無

美術の月刊誌を読まなくなって久しい。代表的な美術誌といえば美術出版社の 『季刊みづゑ』『美術手帖』、新潮社の『芸術新潮』があった。私は若いころ「みづゑ」が一番好きだった。でも82年に月刊誌から季刊誌の『季刊みづゑ』となり、その10年後に休刊となった。 『美術手帖』はゲンダイアート的な内容が増えてきてイヤになった。そして『芸術新潮』はいつのまにか女性向けのガイドブック的になりこれまたイヤになった。だから、 私には 美術誌から入手する最新情報は20年近くほとんど無いのだった。

そんなこともあり、「1.5億円で落札直後にシュレッダーで裁断」事件まで、私はバンクシーの存在をほとんど知らなかった。落書きして逃げるのはキース・ヘリングだったが、ヘリングのようなグラフィックのオリジナリティは無いし、何より絵がヘタだからバンクシーには興味をもてなかった。

「BANKSY 展 (バンクシー 天才か反逆者か)」

 < バンクシー展、横浜駅のアソビルに日本初上陸!70点以上のオリジナル作品 > 
そう知ったのは昨年11月の地域特化型のメディア「はまこれ横浜 記事によってだった。

このイベントは、バンクシーの70点以上のオリジナル作品を集めた2018年からモスクワ、マドリード、リスボンなど世界4都市で100万人以上を動員した展覧会だという。
当初計画では2020年3/15〜9/27の会期だったのだが、3/28〜5/29の二ヶ月間はコロナで臨時休業していた。その後、5月30日(土)になってやっと営業を再開したのだった。

「アソビル」は横浜駅東口脇の中央郵便局ビルの裏にある、集配業務部が移転したことで無用になった郵便局別館部分をリノベーションした複合型体験エンターテインメント施設。東口エリアは再開発計画が進行中で、「アソビル」はそれが本格化するまでの暫定施設だという。地下1階はバーラウンジ、1階はグルメ、2階は最新テクノロジー、3階はものづくり、4階はキッズ、屋上はスポーツと、フロアごとに異なるテーマを設けているのが特徴。昨年3月の営業開始後 9月 には来館者数が200万人を突破したというから、ビル自体の運営は好調のようだ。巨大な壁画が描かれてるが、どこか中途ハンぱなビルだなって感じていたから、私は立寄ったことはなかった。 アソビルでバンクシー展?、ホントに 大丈夫?」私は疑問に思ってた。

左写真:ビル外観、右写真:入り口らしい

「バンクシー展」 評判はイマイチ

「近いんだから行ってみるか」そう考えてネットで調べてみた。
しか~し、いずれの書込みも芳しくなかった。

・バンクシーの伝えたい社会的メッセージが全て死んだ展覧会で、ある意味お花畑って感じでした
・美術館に行くときの「実物に会いに行く
ワクワク感はあまり期待しない方がいいかもしれません
・「美術館開催の展覧会」はやっぱりスゴイ。この展覧会ではそれが残念ながら
壊滅的でした。本当に残念、がっかり。
・入場時間指定で予約したのに
数十人の待機列に並ぶ。
・会場に入ったかと思ったら
すし詰めのムービーエリア
・撮影がOKなためか展示会場内も多くの人がずっと
スマホでパシャパシャしてて非常に鬱陶しい
・ はっきり言ってこのたてものは
展示会に向いてない
文化祭の展示物でした。
  出典(一部):https://note.com/zizimercy/n/nd9196cca71b2

これほどネガティブなコメントが並ぶのも珍しい。 しかも「値段が高い」。日時指定前売りチケットが大人平日¥1,800、土日祝¥ 2000。当日窓口販売チケットなんて¥2,200、¥2,400だ。ちょっとこれはやりすぎだろ。
私は、観に行くのは止めにした

左写真:入り口  右写真:会場
画像出典:「バンクシー展の感想と完全ガイド」 http://omochi-art.com/wp/banksyexhibition/

え、「フェイク展」だって?

興味深い書込みもあった。

この展覧会はコレクターなどが保有する作品を集めたもので、モスクワでスタートし、世界5都市を巡回している。サイトにも「Unauthorized」とあるようにアーティスト本人が関わるものではなく、企画制作Nachkebiya氏はバンクシー本人とも代理人ともコンタクトを取っていない。
バンクシーの公式サイトで「最近同意のないバンクシーの展覧会が多発している。これらはアーティストにまったく関わりなく勝手に企画されたものなので、それ相応に扱ってほしい」“フェイク”の展覧会リストには、このモスクワの展覧会も載っている
 (出典:https://news.livedoor.com/article/detail/17559180/

作品の所有者の許諾があれば展示はできるようだから法的には問題ないようだ
企画代表者のアレクサンダー・ナチケビアは会場の「ご挨拶」に以下のように書いている。

 < … オリジナル作品だけでなく、映像やインスタレーションなどを用いて、多角的にバンクシーに迫る展覧会になっています。  … 路上に描かれたバンクシー作品はすぐ消されてしまいがちなため寿命がとても短く、実際に原画を見たことのある人は多くありません。そんななか本展が実現したのは、複数の個人コレクターの協力を得ることができたためです。 > https://banksyexhibition.jp/

バンクシーという作家はストリートを表現の場にしており、彼の作品はなかなか多くの鑑賞者の眼に届かない状況にある。だから 所有者が展示して広く作品を紹介するのだと言うことには一理ある。もちろん有償で展示することは彼の意に沿ってはいないから「フェイク」だとバンクシーが非難するのも理解できる。 バンクシー作品の幾つかは商標登録されてるから、今後このあたりは問題になるかも知れないな。

「勝手にバンクシー展」すれば良い!

会場で展示されてるモノは作品の現物じゃない。額装されたプリントや映像だ。だからバンクシーの作品がどのようなモノかを識るだけなら、酷評されてる会場に出向くまでもない、ネットを活用すれば十分だ。

1)「音声ガイド」で解説を聞く


STEP.1 スマートフォンに対応アプリ「izi.TRAVEL」をダウンロード
    https://izi.travel/en/app
STEP.2 アプリをダウンロードしたら、こちらをクリック
    https://izi.travel/en/browse/246bd13e-f062 …
ほとんどの展示作品の、図版、解説文、音声ガイドを観たり聞いたりできる。

2)詳細な鑑賞記事を見る 


ほとんどの展示作品の図版と解説・感想つき。とっても参考になるWEBページ。

■BANKSYバンクシー展 <1>
■BANKSYバンクシー展 <2>
■BANKSYバンクシー展 <3>
■BANKSYバンクシー展 <4>

ネットで「勝手にバンクシー展」開催すれば十分だ。

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