1201 「地中美術館」再考

街と文化

直島の「地中美術館」の迷路にはマイッた。そして「李禹煥美術館」の作品数の少なさにはアキレた。あれほど評判が高く人気があるといわれる直島の諸施設だったが、ガッカリした。そんなことを以前書いた。それ以後なにか胸に蟠る(わだかまる)ものがあった。

しかし、やっと解決した。
直島をレジャーランドとして捉えれば合点がいく。私の理解の仕方が狭かったようだ。これもまた原美術館を考えたときのように「ブリンカー」を外して理解する必要があったってことだ。

「美術館」では「美術品」を観るというブリンカー

私の中ではこれまで美術館と博物館、そしてアミューズメントやエンタメのいずれをも意識の中で区別してたところがあった。「直島」へ行った時の私には 「地中美術館」 では「美術作品」を観るという前提が意識の中にあった。

しかし、「地中美術館」は、じつは「アート・ミュージアム」ではなくて「アミューズメント・ミュージアム」だった。 「 アミューズメント=娯楽施設」と理解するのが適当だったということだ。 だから 「地中美術館」は 「地中アミューズメント・ミュージアム 」だ。

アミューズメントの類義語に「 エンターテイメント 」という言葉がある。こちらは「気晴らし、演芸、余興」の意味で芸能、映画、音楽関係などは「エンタメ業界」と呼ばれる。 「美術館」には「美術品」があるというというブリンカーを外して視野を広くとると、今日のさまざまなエンタメ業界がクロスオーバーしていることが見えてくる。

「金沢21世紀美術館」がきっかけだった

つい先日「金沢21世紀美術館」を紹介するTV番組を観た。
それを見て感じたことは無料ゾーンの割合の大きさだった。2016年度入館者数255万という「金沢21」の驚異的な数字には、これまでの美術館とは異なる「美術鑑賞」目的 以外の入館者が多数含まれているのだろう…と。

「金沢21世紀美術館」 館内図(上右図)で、水色表示部分 が有料( 美術館による有料企画展は赤および黄色スペースで行われる)で、それ以外は無料で楽しめる「交流ゾーン」。市民ギャラリー、デザインギャラリー、カフェレストラン、アートライブラリなど広い無料エリアがある。オレンジ印には恒久展示作品が設置されているから無料で鑑賞できる作品も多くある。交通至便な街中にあるから市民にとってはまるで公園のように子供連れで遊び感覚で 気軽に立ち寄ることができる。

2019年度入館者数233万人の内訳をみると「有料の企画展示」65万、「無料の企画展示」58万人 、合計123万人。よって入館者数255万人とはいっても、75%は無料の「交流ゾーン」にいた人たちだ。彼らの主目的は「美術品鑑賞」とは言えないだろう 「 アミューズメント=娯楽施設」 を楽しみに来た人たちなのだろう。だから 「金沢21世紀美術館」 はアミューズメント・ミュージアムだ。

プロ野球感覚で美術館へきて欲しい

1993年の冬だった。NYへ行ったときMOMAで教育部長のヤノワイン氏の講義を受けたことがあった。美術館教育に関する2時間ほどの解説だったのだが一番印象に残ったのは次の言葉だった。
< 私達は、ビジターがプロ野球を見るような感覚で、美術館にきて欲しいと思っているんです。 プロ野球を観に行くクラスの人々はほとんど美術館には来ないんです。アート・ミュージアムってものが、アッパーミドルの知識階級のもの、敷居が高くて、堅苦しいものというようなイメージから脱することが必要だと、私達は考えているんです。 >
彼はそんなことを語った。あれから27年、彼が目標とした状況が日本でも、ある意味で実現しているといえる。「金沢21 」は、 「アミューズメントをアート・ミュージアム への呼び水にしてるのでは」そう捉えることもできる。

「文化観光」としての事例

ところで、 文化庁は昨年「文化観光」という概念を設けて検討会議を開始した。
「文化観光」は、文化的な要素を持つ観光。従来の観光資源が自然と歴史だったものに「スポーツ」や「芸術」を加えるというものだ。

文化施設を中心とした文化観光の例として最も分かりやすい例はルーブルやメトロポリタンだろう。 この二つのミュージアムにはパリやNYに行く観光客の殆どが立ち寄るといわれる。 これらは別名を「観光ミュージアム」という。 コロナ騒動が始まってしまったからインバウンド絡みのこの政策も当てが外れてしまったのだが、文化庁が検討を開始した 「文化観光」はこれらをイメージしてのことだった。

文化施設を中心とした文化観光の在り方に関する検討会議』第1回(R1/11月)で使用された検討のための【資料3】が興味深い。
事例として地域で個別に進展している取り組みに3件があげられているのだが、ナンとそのうち2つが「直島」と「金沢21」だった。あとの一つは,青山剛昌夫ふるさと館(鳥取)。

私がバカだったのだ

もう一度言う、「直島」と「金沢21」 は文化庁推薦の「文化観光」事例だ。
この両施設は地域活性化の起爆剤。そしてもはや「美術館」を越えた アミューズメントでもある。 その理解に至らずに直島を訪れたために、私は「う~む…」って首を捻ったのだろう。

直島の「地中美」と 「金沢21」、 開館はともに2004年だし「地中美」の創設に携わった秋元雄史氏は、2007~2017年に「金沢21」の館長もしている。この2つの美術館は兄弟みたいなものだ。

「地中美術館」は、安藤忠雄氏とモネ作品、そして2名の作家とのコラボレーションによって設計され 、私が思うに「安藤建築:美術作品=7:3」だ。 安藤コンクリートの地獄迷路」を楽しみに行くぞって、意識を切替えて行くべきだった。 「美術作品を観る」ことを期待していた私がバカだったのだ。
「館内の位置が分からんじゃないか」って、私が不満を告げたとき < 安藤さんの『建築も作品』ですから、それも楽しんでいただけると… >ってスタッフが言った。「こいつ何言ってるんだ!」と腹立てた私が未熟者でした。スタッフさんゴメンナサイ。

直島で「美術作品を観る」ことを期待してはいけない!
ディズニーランドへ行くような遊び感覚で向かうことだ。
「ゲ、現代アート」や「国際展」ってもんは、私には「分かりにくい」って言っていたけれど、これも『アート+ アミューズメント 』 だからと考えると解決する。

そういえば、横浜トリエンナーレを観に来ていた若い人たちは「遊び感覚」で楽しんでた。
そう考えるといろいろスッキリする。

コメント

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