春爛漫、伊豆半島バスの旅(2)
修善寺駅から路線バスで堂ヶ島に到着し、「期間限定・時間指定」ウワサの?「トンボロ渡り」を満喫してから「遊覧船」乗り場へと向かった。
< ふたりお~ゆうやみが~つつむ~ … >
「城ヶ島バス停」の脇には加山雄三ミュージアムがあるから、あたりには常に彼の曲が流れている。そんなミュージアムへ誰が行くんだ~? そう思いつつ遊覧船のチケット売り場を探した。
堂ヶ島一番の観光は「天窓洞遊覧」だ
「洞くつめぐり遊覧船」は10 ~ 15 分ごとに随時運航、乗客が多いときには3隻の船を頻繁に稼働させている。乗船時間は20 分弱で1,200円。ほかに中・長3コース設定があるが「洞くつめぐり」以外はコロナのため現在運休中。その日の運行状況はHPで確認できる。前日は強風で「洞くつめぐり」も運休だったようだが、今日は快晴だから大丈夫だ。
チケットを買う際に、窓口のに~ちゃんが言った。
< 早めに乗船してくださいね。運休するかもしれないので… >
「このぐらいの風でも危ないの?」と尋ねたら、
< けっこう、運休するんですよネ >
ふ~ん、たいした風も吹いてないのに…? と思ったのだが、乗船したら兄さんが言った意味が分かった。
船は定員45名でけっこう小さめだからやや大きめのモーターボートって感じ。少しの風や波でも相当揺れる。出港してまもなく白波をうけてバシャン~バシャと大きく上下した。
< きゃ~ > < うわ~オ>
予想外の揺れに驚いて乗客が歓声をあげた。でも遊園地の遊具でスリルを楽しむ感覚で、スゴ~く楽しんだ。
堂ヶ島一帯の崖は、海底火山の噴火による水底土石流とそこに降り積もった軽石・火山灰層からなる。波紋状の模様がある海岸の崖には海蝕によって浸食された洞窟が幾つもある。そうした堂ヶ島の特徴的な景観はとても美しい。
堂ヶ島の”青の洞窟”
堂ヶ島マリン運営の遊覧船は、海から崖を眺めるだけじゃなくて洞窟の中まで入り込んで観せてくれる。とりわけ弱い地層部分が崩落し天井が円く抜け落ちて空が見える「天窓(てんそう)」は圧巻だった。
< 堂ヶ島天窓洞はカプリ島にある”青の洞窟”を思わせる神秘的な洞窟。凝灰岩でできている海触洞窟で、天然記念物に指定されています。綺麗なエメラルドグリーンをした海面が、射し込む太陽の光によってキラキラと美しく輝く光景はまさに … >
<堂ヶ島にある青の洞窟>への入口は南・西・東の3ヶ所ある。遊覧船は「南口」から入る。「西口」はやや狭め、道路から見えるところにあるのが「東口」(下写真)で波を打っている。だからら、タダの水溜りじゃなくて洞窟の奥が海とつながっていることがわかる。
南口から入ったら左手に見えるのが「西口(左写真)」。中央部にポッカリと空いているのが「天窓(右写真)」で、見上げると空と木立が見える。
遊覧船は、狭い洞窟内を自在に走る。バックスピンをかけて停止したり旋回したりと、見事な腕前だ。あいにく青空じゃなかったから水の色は「青色」じゃなくターコイズグリーンだったけど綺麗だった。
洞窟巡りの「天窓洞」はスゴかった!
乗船中をず~っと撮ってみた。少し長めの編集だけど後半の洞窟内部は圧巻だ!
◆ 堂ヶ島・天窓洞遊覧船 You Tube (8:45 )
いや~良かった!「堂ヶ島マリン」運営の観光船
「洞くつめぐり」は、短時間ながらも十二分に堪能した。
「や~、素晴らしかった、よかったな~」そう言って下船した。
「ン?…」
道路脇に停めてある2台のボンゴ車の側面に大きく貼ってあるステッカーに目が止まった。
【堂ヶ島マリンの不当労働行為糾弾!】
【堂ヶ島マリンは組合と協議せよ!】
久方ぶりに労働争議のアピールを見た。こりゃ何かなって、帰宅後に調べてみたら以下のような経緯で紛争中だった。
◆―静岡県西伊豆地区の遊覧船 堂ヶ島マリン株式会社―組合の団結を侵害する不当労働行為!
(1)昨年5月末、堂ヶ島マリン株式会社は、新型コロナを理由に事業休止を決定。組合員13名全員を解雇した。
(2)ところが7月、会社は密かに退職した6名を呼び出し採用し組合からの脱退を強要。
(3)組合は、直ちに団体交渉の申し入れを行ったものの、会社はこれに応じることはできないとした。
(4)組合は、直ちに東京都労働委員会に対して不当労働行為救済の申し立てを行った。
観光地の遊覧船にしては、際立って充実した運行内容だった。
だから「いや~、【㈱ 堂ヶ島マリン】は大したもんダな~」って思っていたけれど …
穏やかな西伊豆の田舎にも、イロイロな問題があるもんだな。
(3)につづく