0421 松崎の長八美術館

伊豆旅行

春爛漫、伊豆半島バスの旅(3)

松崎・下田を事前に下調べした。
松崎」はナマコ壁のある街並みで有名。「下田」はペリー艦隊来航の歴史的大舞台で南伊豆の観光拠点だ。いずれもさぞや見どころがイッパイあるのでは…と思いきや、
「ン~あれっ?、あんまり見るところがナイ… 」

結局、松崎では初日午後に「伊豆の長八美術館」に行った。そして二日目朝、下田行きのバス路線で「松崎町の6キロ桜並木」を見た。下田では「ペリーロード」と「了仙寺」を散策。そして午後「白浜」へ行った。

松崎のナマコ壁通りって…

ガイドブックには、松崎の「ナマコ壁通り」が必ず出ている。
だからそこには「壁面がナマコだらけの家並みがズ~っと続いている」ものとばかり思っていた。でも実際は違った。小路の片側に30メートルほど蔵の壁面にだけのナマコ壁。小路の向かいは畑だ。他に数軒ナマコ壁の家屋があったけれど、まったく期待外れだったよ。

「ナマコ壁」は一見しただけでは「単なる壁面装飾」のように見える。しかしホントは「実用目的+装飾」だった。
ナマコ壁の工法は「平瓦」を壁に貼り付け、目地を漆喰で「なまこ(海鼠)」のように盛り上げる。土壁や板壁よりも耐火性に優れることから全国的に普及したものだから、松崎に特有の工法ではない。

伊豆の長八美術館

「松崎=ナマコ壁のイメージ」は、漆喰細工名人の入江長八の出身地であることも関係している。入江長八は、絵画や彫刻技法を漆喰細工に応用し、従来は建物の外観を装飾する目的で漆喰壁に鏝(こて)で模様を描いていたものを、絵具で彩色して室内観賞用の芸術品に昇華させた。

「伊豆の長八美術館」には長八の作品が約50点展示されている。
しかし、美術館の建物にはビックリ仰天した。

側面入り口脇にコルゲートチューブがあった。
「なんか石山修武さんのみたいだな~」そう言ったら奥さんが言った。
< あんた知らなかったの!ここは石山さんの設計よっ>
「え~?、そうだったの!」
奥さんは、ガイドブックを徹底して読み込んでいるからよ~く知っているのだ。

ポストモダンちゅうのか、わ~止せっチュウのか和洋折衷のゴッタ煮部材。
スゴイと言われても、何がスゴイのか表現するのがムズカシイのだが … 公的経費を使ってここまで遊んじゃう?…ってのはスゴイと思う。
ま~石山修武さんは、安藤忠雄さんや毛綱毅曠さんと並ぶ、建築界の野武士っていわれるほどの人だから仕方ないか…。

石山さんなら…ヘンテコで当然だ

建築家の石山さんは「アート系建築家」とも呼ばれる奇妙なものばっかり作る人。
私の実家近くの山の中に「幻庵」っていうコルゲートチューブを使ったヘンテコ住居がある。その石山さんなら当然ヘンちくりん建築にちがいない。


さてこの「長八美術館」の壁面は、石山氏が代表のダムダン空間工作所が、全国から左官の名工延べ2000人を松崎町に集結し、現代左官技術の粋を集めて完成したものだそうな。
< 彼の作品としては「幻庵」(1975年)と「伊豆の長八美術館」(1984年)が、群を抜いて素晴らしい >と言われる。

展示室は2つだけ。どちらもそれほど大きくなくコンパクトな展示スペース。私は、長八の作品を観るよりも建物に関心が集中してしまった。展示作品よりも建築のインパクトの方が強い。ここは感想をいえば長八美術館というよりも石山美術館だ。


でも、ロビーあたりの展示物を見ると「漆喰技術とは何か」が分かるわけだからいちおうの目的は果たしているのだろう。

ところで、漆喰の壁画といえば西洋ではフレスコ画になる。『左官の神様 長八」の漆喰・鏝絵作品は全然フレスコ画なんてもんじゃない。なんと!立体的かつリアルなのが大きな特徴だ。長八作品は「漆喰を使った彩色レリーフ」っていえるキテレツ分野だろうな。

コロナ禍だから他の入場者はいなかったから、独り占めでゆっくりと見学できたのは良かった。

奇跡の建築だって!

◆ 奇跡の建築、伊豆の長八美術館を生んだ必然の連鎖

他にお客さんはいないし、作品は撮影禁止のものがあったものの室内撮影禁止とはかいてなかったから一通り動画で映してみた。

ガッ…ガウディかっ

ところで、美術館の正面側からは見えないのだが、側面からみると、どう見ても目的がわからない奇妙な造形が見えた。このガラス建築の部分は、松崎町特産品を販売するお土産屋さんの「町営民芸館カサ・エストレリータ」とのこと(“小さな星の館”とかいう意味)。以前はレストランだったよう。

これらも石山修武さんによる設計。

横に建つナシミエントの塔は、ガウディの「サグラダファミリア」で主任彫刻家として活躍する外尾悦郎が、一時帰国して手がけた作品だって!

しかし、松崎の長八美術館あたりはちょっと不気味な雰囲気だった道端のアチラコチラに風雨にさらされた「奇妙な木彫」が置いてある。
なんでこんなモンが…?」不思議に思った。

伊豆文邸以外見ものは…

松崎の建物で他に見たのは伊豆文邸。ここはもと呉服屋の「伊豆文」の建物を保存した歴史建物。雛がいっぱい飾ってあった。その向かいには、シュルレレアル漫画家「つげ義春」氏の「長八の宿」のモデルとなった「山光荘」があった。それ以外は特に無し。

桜が見頃だった

松崎町の中心を流れる那賀川沿いの土手には約6km、1200本のソメイヨシノが植えられている。翌日、下田へ向かう路線バスはその桜並木に沿って走った。行けども行けども川辺に桜が咲き続けていて見事だった。

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