0609 洋館巡りと「イタリア山庭園」

横浜さんぽ

「山手本通り」は尾根道だった

「山手本通り(下図の黒線)は、「港の見える丘公園」の前から「イタリア山庭園」へ尾根を伝って西に延びている。道の両脇にある洋館を訪ねての「洋館巡り」は代表的な横浜観光として人気を集めている。

「山手町」は、海抜10~50mで、海から見ると切り立った崖の上にある。「山手本通り」は、その真ん中を魚の背骨のように伸びた「尾根道」で、通りの左右ではすぐ斜面が始まっている。要するに「山手本通り」以外はどこもかしこも「急な坂道(下図の赤線)」なわけだ。

 

「尾根(おね)」は、谷と谷に挟まれた山地の一番高い部分の連なりのこと。「山手本通り」高台だからアップダウンした道路かなと思っていた。だが、意外にもほとんどフラット。平坦だから20分ほどの距離を歩いてもぜんぜん疲れなかった。

「洋館巡り」は「★5つ」だ。

幕末に開かれた港町に残る洋館を訪ねるのが「洋館巡り」。
「洋館巡り」
といえば
函館・新潟・神戸・長崎・横浜 の5都市
私はこれまでに函館・長崎を巡ったことがある。
いずれの街の洋館も、異国情緒に包まれてなかなか風情があるものながら、観光客向けで「もうひとつ…半端?だ」と思っていた。

しかし今回、横浜山手の洋館巡りして、予想外の充実ぶりにビックラこいた
<洋館=資料館><花咲く庭園>と、<高級邸宅の日常生活>とが一帯となってそこにあった。
「こ…!、これはリッパ…だ」
函館・長崎が「★3つ」としたらここは「★5つ」だ。
とにかく基本姿勢が立派で、
いろんなことに感激した。

・ 街並みに余裕があり落ち着いていること。
・ 洋館の内外がキチンと整備されてること
・ 手入れされた庭園の花々が美しいこと
・洋館が
近場にまとまってること
・各館に2~3人の管理人がおり対応が丁寧
無料なこと

ナント入館料は、いずれも無料理由は以下のようだという。当然ながらもなかなか出来ないこどだから、これには感激した。
< 例えば、入館料が300円位だとしても、いくつも観て廻るとけっこうな金額になります。それでは、何度も来て貰うことが難しくなってしまうので、たくさんの人に気軽に何度でも来て欲しい場所として、入館料が無料になっています。 >

7つの洋館と教会など

代表的な7つの洋館は「山手西洋館」と呼ばれ、山手本通り沿いにある。明治~昭和初期に建てられた洋風建築物で横浜市の持ち物。運営費の多くは横浜市の税金で賄われており、管理運営は「横浜市緑の協会」がしている。

1.外交官の家 (旧内田家の邸宅)
2.ブラフ18番館 (カトリック山手教会の司祭館)
3.ベーリック・ホール(フィンランド領事の邸宅)
4.エリスマン邸 (生糸貿易商の私邸)
5.山手234番館 (外国人向けの共同住宅)
6.横浜市イギリス館(イギリス総領事公邸)
7.山手111番館 (両替商ラフィンの家、スパニッシュ様式)

8.山手資料館(牧場主の中澤氏居宅)
9.旧山手68番館 (外国人向け賃貸住宅)
教 横浜山手聖公会
教 カトリック山手教会
教 横浜ユニオン教会

「エリスマン邸」や「ベーリック・ホール」は、建物はもちろん調度品そして庭園の花々も、いずれも見事なものだった。これらの「7つの洋館」に関しては、いろいろなWEBページで詳しく知ることができる。

◆【横浜おでかけ】山手西洋館めぐり

◆【山手西洋館】

 

[横浜山手聖公会]がステキだった

3つある教会の中では「山手聖公会」が、ひときわ存在感があったからそれにだけ触れておく。

「おお~、ノルマン様式じゃないか!」と叫んでしまった。
山手聖公会は、ロマネスク建築に属する「アングロ・ノルマン様式」だ。尖塔を持たないシンプルな石造りの建築で装飾は少なく重厚さを感じさせる。

城塞のようなスタイルをしたこのタイプは日本では他に見られない…とても魅力的だ。

「聖公会」とは?

興味を持ったので調べてみた。
「聖公会」は、英国教会(英国国教会)をもとに世界にひろがったキリスト教の教派。
横浜教区の歴史は、1873年に英国の宣教団体から派遣された、ライト司祭(W.B.Wright)とショウ司祭(A.C.Shaw)の横浜来港を始まりとされる。
ショウ司祭は軽井沢にも教会を設立して、軽井沢を外国人の間で有名にした人物ですね。

「聖公会(Anglican Church)」は、イングランド国教会の系統に属し、カトリックとプロテスタントの中間の教会ということだ。「聖公会」という呼称は「聖なる公同の教会」という意味で、教会はどれも同じ教会という普遍性を表す。「聖公会」では教会堂ではなく聖堂(せいどう)と呼ぶことが多い。
<「聖公会」建築物の変遷 >
(1)1863年に横浜の居留地(今の中華街)にクライストチャーチの最初の「聖公会の教会」建設
(2)1901年に現在地に移動 2代目建築(コンドルによる煉瓦造りのヴィクトリア様式)
(3)1923年(大正12年)の関東大震災で当時の聖堂が崩壊。仮設聖堂が建立。
(4)1931年(昭和6年)に3代目の現在の聖堂が建て替えられた。
(5)1945年5月には横浜大空襲で内部焼失
(6)2005年1月にはアメリカ人浮浪者による放火
(7)再度復興し現在に至る

初代建築が建てられたのが1863年だから160年ほど前のこと。その後に建替てや数度の焼失などと、いろんなことがあったわけだ。調べてみると外から眺めただけでは分からない複雑で興味深い歴史が隠されていた。またゆっくりと訪れてみたいと思った。

こ! これが…「イタリア山庭園」かっ!

さーて、今回お目当ての「イタリア山庭園」に着いた…ぞ。
「横浜山手」には、かつての居留地がらみで「フランス山」「イギリス山」「アメリカ山」「イタリア山」の4つの外国名の<山=庭園>がある。いずれも異なる魅力があるけれど、イタリア山庭園」は、評判通りの見所満載だった。

明治13~19年までイタリア領事館がおかれたことから「イタリア山」と呼ばれている。
水や花壇を幾何学的に配したデザインの公園では四季折々の花、植栽を見ることができる。テラスからは横浜ベイブリッジやみなとみらい21を一望することができる。

フランス瓦の屋根の「ブラフ18番館」は平成5年に、とんがり屋根の「外交官の家」は平成9年に移築復元された。

スライドショー作成しました。

イタリア山庭園2021 5

◆ 外交官の家 The Home of a Diplomat
http://monyokohama.com/2017/08/18/the-home-of-a-diplomat/

ブラフ18番館  館内のみどころ
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/yamate-seiyoukan/bluff18/highlight.php

おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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