招待状をゲットした
JR関内駅南口からほど近いところに「絵具屋三吉」なる日本画材店があるので覗いてみた。ヨーロッパナイズのオシャレ感ある店構えはとても日本画とは結び付かない・・。
1Fは額縁で2Fが日本画材。ズラリと並ぶ小瓶入りの岩絵具や水干絵具が圧巻だ。おそらく日本有数の日本画材店に違いない。ここで「自由美術展」と「創画展」の招待状をゲットしたので行こうと思ったのだった。
「2012創画展」(全室)スライドショー
これが、あの「創画展」?
久しぶりに上野の都美術館へ行ったのだが、上野駅の公園口がすっかりリニューアルしていて戸惑った。開催中の「ゴッホ展」は大盛況で時間待ちの行列、それに比べて創画展は閑古鳥が鳴いていた。
会場はとても広くて作品数も多い。国立新美術館ではABCの3室が1~3階に分かれている。だから一旦出たり入ったりしなくちゃならない、でも都美術館は水平移動できるのでその点は楽ちんだ。
正方形の100号Sサイズが上限らしく、同じ大きさの絵がズラリと並ぶ。まずはそれだけで気分がそがれてしまった。
日本画材料の特性かもしれないが、全体的に「白っぽい印象」でおとなしい。会場全体が静まり返った感じでインパクトある作品がどこにも無い。
テーマの点で感じるのは「人を描かない」ってこと。そして風景からの抽象化が多い。この点が日展や院展とは大きく異なる。
最高賞の「創画会賞」は3点あったがいずれも「?」という感じ。
う~む、とうなった
どういうわけか、『北斗の拳』のケンシロウの台詞「お前は既に死んでいる」「あべし」などが、ふと思い出された。
40年振りの「創画展」はすっかり変貌していた。
「創画展は死んじゃったな」って思った。
まるで油絵のようで洋画とほとんど区別できない作品が多い。日本画の特性は平面的・線的な装飾性なのだが、空間性があいまいで線的要素も無頓着。日本画絵具が十分使えていないから「雑」に見える。テーマがとても現代とは思えない。皆さんそろってどこか勘違いしているようだ。
日本画団体の「創画会」が成立したのは1974年、私が大学生のころだった。
「新制作協会日本画部」から離脱して「創画会」ができた。当時は山本丘人や工藤甲人をはじめ、加山又造、麻田鷹司、石本正、稗田一穂、上村淳之、内田あぐりなどが実験的傾向の作品を続出させて話題になっていた。
それ以後、春秋2回の公募展を開催しており、院展、日展と並び称される日本画壇の一大勢力だと…私は理解していた。
あの元気さは、どこへ…
<上から、加山又造、稗田一穂、内田あぐり>
「創画会」は、60年にわたり「新しい日本画」を目指し牽引してきたものと思っていたのだが…残念だ!
なぜここまで…言葉がなかった。