「東京都美術館へ『創画展』を観に行ってくるよ。」
そう言ったら奥さんが応えた。
「ついでに、ホテル遊びに行きましょう。」
ホテルソムリエ奥さんがスケジュールを組み永田町へ遊びに行った。紀尾井町近辺を散策し「ホテルニューオータニ」で軽くランチした。その後、渋谷駅周辺を散策した。もちろん日帰り可能なのだが、ホテルがあまりにお安かったので、駅近の新しくできた「宮下パーク」のホテルに宿泊してしまった。
「ホテル御三家」
「ニューオータニ」は、1964年の東京オリンピック開催の際、海外からの外国人宿泊施設として誕生した。このホテル名は、当時の「大谷重工業」が建てたのでそう名づけられた。はじめての17階建て高層ビルで、日本の超高層ビルの建築基準法ができたのもこのホテルからだった。
「ホテルニューオータニ」は、「帝国ホテル」「ホテルオークラ」と並び「ホテル御三家」と称される。
「ニューオータニ」は3度目
私が最初に行ったのは30年ほど前だった。最上階にある直径45mの回転ラウンジでお茶したことがある。一時間かけて360度一周する展望は面白い体験だった。現在は安全上の理由より停止されているが…。
2度目は子供たちと行き、今回が3度目だ。もちろんこんなラグジュアリーホテルに、ケチな私が宿泊するはずなく、いつもお茶かランチが目的だ。
*ホテルニューオータニ東京の日本庭園・駅からの行き方もー東京散歩ー
紀尾井町散策
はじめに紀尾井町近辺を一時間ほど散策した。
赤坂と四谷との境目にある「紀尾井町」は、かつてこの地にあった徳川御三家の武家屋敷、紀州・尾張・彦根井伊家の各家から1文字ずつとって名づけられた。
赤坂見附駅を降りて迎賓館正面まで歩いた。緑が多くのんびりした一等地だ。ここには「上智大学四谷キャンパス」があった。「上智大学」はホントに良い場所に有るもんだって思ったな。
ビュッフェは満席だった
散策してホテルまで戻り、ホテルのショッピングアーケードを巡った。ハイソなショップばかりだが、歩いているお客さんはほとんどいない。私はウインドウショッピングに興味ないから、あちこちに立ち寄る奥さんの後をぶらぶら歩いた。
その後で軽くランチした。平日だというのに「ガーデンラウンジ」では「ケーキビュッフェ¥ 5,700 (税込サ別)」が予約で満席(おね~さんやおばさま達は、こういうのが好きだという)。とはいえ私たちはその隙間の席?で軽くサンドイッチで済ませた。
以前「椿山荘」で遊んだ際には「ソバ」の香りにとっても感激した。今回の「サンドイッチ」は、2000円以上するんだがスゴイボリュームで大満足。やっぱりTOPホテルの食事はバカ高いけどどこか違うんだよな。
食後はお庭を一回り
「ニューオータニ」の日本庭園は、彦根藩井伊家中屋敷の大名庭園だった。広さ1万坪の池泉回遊式で池の周り巡る園路がある。
佐渡金山の巨大な「赤玉石」が散りばめられ、「清泉池」には朱色の「太鼓橋」があり350匹の鯉が泳ぐ。一番の見どころの「大滝」は高さ約6mで迫力満点だ。
これだけ広大だからお庭の維持だけでもタイヘンだし、固定資産税も膨大だろうと心配してしまう。
*約400年の歴史!ホテルニューオータニの日本庭園を徹底紹介☆
久しぶりの渋谷
渋谷の街を歩くのは幾年ぶりだろう? 駅構内からしてすっかり様変わりし、「ヒカリエ」や「スクランブルスクエア」などの高層ビルを「こりゃスゴイや!」って見上げるお上りさん状態だった。
奥さんが「代々木競技場」を見たいと言うので代々木公園まで歩いた。「代々木第一競技場」はオリンピック後の改修工事、第二競技場は「コロナのワクチン接種会場」になっていて中には入れなかった、残念。NHKが建て替え工事の真っ最中だった。
ミヤシタパーク
渋谷では大規模再開発が進んでいるのだが、その一環に昨年7月オープンした「ミヤシタパーク」プロジェクトがあった。これは、渋谷区が三井不動産に土地を貸与した上で、公園と一体型の商業施設を建設するものだった。
この計画の背景には、渋谷区による宮下公園の「野宿者排除」を巡るスッタモンダがあった。まあ~それは置いといて、「ミヤシタパーク」は民間資本を取り入れた公共地の再整備=「税金を使わず」とも公共地が「デパート化」できる例だといえる。
この細長い公園の端に18階建、240室のホテル「sequence MIYASHITA PARK」(上図赤丸)がある。入り口フロアは4階の公園からつながる。チェックインからチェックアウトまですべて完全キャッシュレスですべて機械操作。部屋も合理化されてシャワーのみ。ものすごくシンプルな設計なのだが不都合はなかった。
私の宿泊費は【限定/公園View確約】Park Stay ~ MIYASHITA PRAKを望む客室~<素泊まり> 一人4,640円。これが部屋を選ばなきゃ最安値はMedium Double2人宿泊で一人 ¥3,500~。渋谷駅3分でこんなに安ければ「つい泊まっちゃおうかナ…」ってのがわかるでしょ。
渋谷横丁はもうひとつ
北海道から沖縄、韓国まで19の飲食店が100m軒を連ねるのが一見レトロな「渋谷横丁」だ。<郷土料理からB級グルメまで。日本全国の味がこの横丁に集結!>ということだったので夕食に行ってみた。
久しぶりに「北海道」へ入った。
「あの~お出しするまで一時間かかるんですけどお~」
「エッ…どうして?」
「あの~急にオーダーが入りすぎちゃったんです~」
見れば、料理人が一人しかいない。こりゃ駄目だ!ってことで「沖縄」へいくことにした。「沖縄」は「北海道」の反対側にあるから100mもあった。
「沖縄そば」を食べたけどしょっぱくて食べきれなかった。「沖縄そば」ってほんとにあんな味なのか疑問だ。
「渋谷横丁」の口コミをみるとあまり評判よくない。
<マンパワー不足でグタグタ ><人員不足すぎてお客も店員さんも可哀そう><四国の人が食べたら怒るかも><コンセプトは良いが落ち着いて飲めない渋谷横丁>
まあ~いろいろあるわなっ。
眺めが良すぎて眠れない?
千円アップの「公園View確約室」だけあり、8Fの部屋からの眺めはとても気に入った。
屋上に移設された公園は、蔦が絡むツインアーチ構造を持っている。その先には高層ビルの「スクランブルスクエア」と「ヒカリエ」が見える。夜はライトがとても美しく「ああ~都会の、ど真ん中にいるんだな~」と実感できた。
車のヘッドライトや屋上公園の人の動きは見てるだけで飽きなかった。すぐ脇をJRの線路が5本あるからひっきりなしに列車が通る。時おり同時に3本走ることもあって驚いた。
私が一番気になったのは正面のスクエアビル一面に燈っている窓明かり。これが深夜になればどうなるか?だった。全部消えないまでもどこまで消えるのか?ってことだった。
10時になると屋上公園が閉鎖され人けがなくなった。でも高層ビルのあかりにはほとんど変化がない。
0時なるとスクエアビル最上部の横に伸びるライン状の明かりがやっと消えた。でも正面垂直の窓明かりは消えずに朝まで点きっぱなしだった。結局、正面垂直の窓明かりは、室内の明かりじゃなくてディスプレイだってことが分かった。
*三井不動産が様々なトップクリエイターと共創した“次世代型”新ホテル
一期一会かも…
「一期一会」って言葉は、人との出会いを大切にするという意味だけど、ここで見て感じたことはもう二度と無いだろう。だから、こうして写真を残したりメモして記録しておきたいと思った。
赤坂~青山~渋谷あたり、これまで私が歩いた道路を赤線、今回歩いた道は緑線で示してみた。ひょっとしたら、これらの道はもう二度と歩くことが無いのかもしれない。そう思うとどこか切ない… 。
おわり