3階の「書」の展示室へ一歩入って驚いた。
「ゲっ!何だこの混み具合は!」
観客のことじゃなくて「書」の「展示作品がラッシュアワー状態」だから驚いた。
えッ、「特選」作品が二段・三段掛け?
第15室には「特選」が展示されていた。
だが、酷かった。
「特選」作品は、フツ~優遇されて見やすい展示がなされるものだろう。
それなのに、二段・三段掛けのありさまで、ビックラこいた。
いったい「書部門」は、どうなっているのか?と思った。
会員展示室も同様だった
「会員作品は一段掛け」で「入選は二段掛け」ってのがセオリーだろうに…
会員も一般も関係無く全室ほとんどが二段・三段掛け。壁の作品を見ようにも、周りにある4~5点がどうしても視野に入るから集中できない。とても「鑑賞」する状況には無い!
一般入選に至っては部屋の中央にケース展示まであるから、さらに密集度が高い。
「こりゃ、どうにもならんな!」って思った。
でも、いちおう全室を観た。
*2021年,第8回.日展.書,全室撮影,特選~会員~入選の順でスライドショーにて紹介
そういえば過日、都美術館で観た「日本書鏡展」の展示はスッキリして見やすかった。
私は、あの時初めて書道の公募展を観たのだが、「日展」も、当然あの程度の展示がなされていると思っていた。しかし、とんでもなく酷い展示だった。
これでは作品が、あまりに可哀そうだ。
「書部門」は1,000点超え?
昨年資料なのだが、もう一度見てみよう。
「書部門」の展示作品数は1200超えだ! 他の部門と「一桁違う」。
これではラッシュアワー展示になるのは当然だろうな。
「書の審査部長」曰く、
「8000点から1000点に絞るまでに6回見ました。はじめに4~5割に絞る。それを絞りさらに絞って…6回絞り込まれた1000点の作品なんです。」
「 <改組 新 第7回日展会場を巡る> 16:37~ より」
https://nitten.or.jp/movie/movie-1056743
そんなに審査に苦労してるなら、その結果の作品の見せ方にも、もう少し知恵を絞ってほしいものダな。
著しい「書」の出品数減少
ところで、この10年いずれの部門も出品者が7~6割減少してる。「彫刻」に至っては半減してるが…。「書」は、2013年を機に著しく減少した。これには「篆刻」部門の不正審査問題が関係していると思われる。
2013年に「日展」の書(篆刻部門)で有力会派に入選数を事前配分していたという不正が報じられた。かねてから噂になっていたものが表面化したものだった。
我が国にっぽんの恥「日展」https://art-culture.world/articles/nitten-
日展不正について質問(予算委員会第四分科会)1
「日展・書部門」は、いろいろ問題あり過ぎで、「コリャどげんもならんな!」
さよなら「日展」
「日展」の5部門、ほとんどの展示室を撮影して思った。
「むか~し見た印象とあまり変わってない」
一つひとつの作品について言えば、それぞれの作者の想い入れが伝わってくる。
しかし、作品を「観る」ための展示設定があまりにひどすぎる。
それは多くの公募展に言えることだし、仕方ないじゃないか…って言えばそれまでだけど、
「大作展」のような優れた試みも出来なくは無いはず。
とにかく、全部観てほぼ全部撮ったから気が済んだ。
今後は、もう二度と「日展」を観に行くことは無いだろう。
さよなら日展だ。
おわり