久しぶりに、コンサートへ行った。
「紅葉ヶ丘」へ
「紅葉ヶ丘」は歩いて十数分のところにある。
ここには「青少年センター」「音楽堂」「図書館」の県立文化施設3館がある。「婦人会館」と合わせて「紅葉ヶ丘文化施設群」とも呼ばれる。これらはいずれも戦後モダニズム建築で知られる「前川國男」氏の設計だ。
数週間前のことだった。「前川建築見学ツアー in 音楽堂」ってのがあることをネットで発見した。だが、すでに申し込み者が一杯で閉め切られていた。
「音楽堂がダメならせめて図書館でも良いから見学したい」と奥さんが言うので「紅葉ヶ丘」へ出かけた。
図書館が閉鎖中
ところが何ということでしょう、奥さん見学目的の図書館は「旧本館(前川館)」が閉鎖されていた。すぐ脇に工事中だった新館が完成し、蔵書移動中で図書館は当分休館だった。
「う~ん仕方ないな代わりに、音楽堂を外部だけでも見学しよう」ってことにした。
音楽堂はいつも閉じられているから、普段は演奏会以外は入れない。
ガラスに取り巻かれた外周をウロウロした。入り口脇にパンフレットがいろいろ並べられているので目を通した。「音楽堂」での演奏会は、ほとんどが有料なのだがその中に「入場無料」のものがあった。「アンサンブル・マイルストーン第37回演奏会」プログラムはフォーレ、ラヴェル、シューマンなど20分休憩をはさみ90分。
「そうだ、これを聴きにくれば、とりあえず音楽堂内部を見学できるわけだ…、そうしよう」
ということでその一週間後に催された「ただコンサート」を聴きに行ったわけだ。
やっと「音楽堂」に入れた
開演14時、会場13:30。
「ま~、こんな無料演奏会なんて、大して人も来ないだろ~」
メイン目的は「建築内部」なのだから、少し早めに行ってロビーや大ホールを観察しようと思い13:40に着いた。
「あれ~、いっぱい来てるじゃないか…?」
予想外だった。正面入り口から人がズラリと並んでいた。
大ホールの収容数は1,106席。同じ前川國男氏の設計の東京文化会館は2303席だから、こじんまりしたものだ。東京文化会館は、彫刻家の向井良吉デザインのホール壁面がスゴイのだが、音楽堂の装飾はすごく素朴だった。
この神奈川県立音楽堂は、日本初の本格的な公立の音楽専用ホールとして1954年に開館したもの。ロンドンのロイヤルフェスティバルホールをモデルに、ホールの壁面はすべて木製で、最高の音響効果をあげるように設計された。開館当時『東洋一の響き』と絶賛された。
上野公園の「東京文化会館」は、東京都開都500年記念事業、そして戦後復興の象徴として計画されたもの。前川國男氏が設計者に選ばれたのは日本建築学会賞を受賞した、この「音楽堂」の高い評価があったからだという。
コンサートは本当に久しぶりだった
「アンサンブル」という表現だったから見当がつかなかったが50名程の小編成だった。渡された一枚の手刷りパンフによると、都内中心に活動するアマチュアオーケストラで、「音楽堂」では年に2回開催しているとのことだった。
私は昔、20代の頃はオーディオ機器をそろえてクラシックなどを人並み(?)に嗜(たしな)んだものだ。でもマンションに転居する際にスピーカーやアンプを処分した。ヘッドホンは嫌いだからそれ以後は音楽を全く聴かなくなった。
「そうだな~、全身を音に包まれるのもたまには良いもんだ…」そう思った。
今回の演奏会「聴衆」は、私と同じくらいの年配者がほとんどだった。男性も多い。裏から見ると頭頂部が薄くなった方が半分くらいいた。
「そうだよナ~ 気楽に来られるよナ~ タダだしナ~」
そう思った。
■神奈川県立音楽堂を見る https://www.ohkaksan.com
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