0924 スパ銭巡り(2)「満天の湯」

その他

次は、どこ行こうか

マップを見ると近場にスーパー銭湯6ケあった。
最初に行ったみうら湯/弘明寺店」の予想外の快適さに味を占め、「よ~し6店を全部制覇しよう」って考えた。ところで、みうら湯の入浴料¥880に対して、横浜駅近くの3軒¥2000以上海沿い施設はゴージャスというか贅沢価格だ。それに較べ相鉄沿線の2ケ所は千円以下だから、一般銭湯とそんなに違わず良心的。ものには順序ってもんがある。まずは庶民的なお安いところから行くことにした。

「満天の湯」

「満天の湯」は、上星川の真ん前にある。
「駅前のこんな「湯」なんて、たいしたこと無いだろナ…」
私は、これまで相鉄線に乗り上星川駅を通るたびにそう思っていた。

ところがどっこい、風呂の数は15種類、サウナ2種類、露天風呂は空が大きく開け開放的、休憩スペースも広い。「サウナランキング2023」全国3位受賞5段のタワーサウナ」、そして畳の上をお湯が流れるうたた寝湯は、とんでもない絶品。施設は「みうら湯」以上に充実していた。

アレ~、記憶がごちゃごちゃだ?

ここまで書いたところで、前回のみうら湯」の記事内容を見返したところ…。
「アレっ…? ン? 寝湯が最高?、5段のタワーサウナ? 」
「これは「満天の湯」のことで「みうら湯」の事じゃ無いジャン、アレ~変だゾ~?」

私が「みうら湯」に行ったのが8/28その後「満天の湯」9/04「龍泉寺の湯」9/11へと3週続けて行った。「みうら湯」の記事を書いたのは9/12だから「竜泉寺の湯」へ行った翌日だった。
だから、私の頭の中は「みうら湯」&「満天の湯」&「龍泉寺の湯」が混じっちゃったわけだ。
ま~勘弁してくださいな。

食事も普通に楽しめた

食事処も余裕がある。私は天丼、奥さんは味噌カツ丼を食べた。
最近は街中のランチでも¥1500ぐらいするようになった。それに較べると良心的だ。

入浴時間「1時間半」

さて、前回の「みうら湯」では、事前に奥さんと入浴時間「1時間」と打ち合わせて入った。でも私は45分間でクラクラしてギブアップし、休憩所でくつろいでいた。
「今回の「満天の湯」の入浴時間は「1時間半」にしましょ~」奥さんの提案だった。
「私はそんなにイランけど、速く出たら休憩してますワ」

「満天の湯」は、風呂の数が一杯あるから計画的に入らなくちゃ…ってことで、露天風呂の端っこから順に一通り入浴した。露天を終えてから身体を洗い、それから内風呂を順に入った。全部入り終わるまでで50分たった。まだ残り時間40分もある。だから露天風呂~内風呂へと、全部の浴槽もう一度入り直した。サウナが2種類もあるのだが、私はサウナが苦手だから覗く程度で退散した。
周りの様子を見ると、皆さん浴槽脇の「イス」に座って裸で居眠りしてる。「そうか、私は一生懸命湯船に浸かろうとするから時間が持たないんだ。イス使って、うたたねしてれば良いのか…」
遅ればせながら、スーパー銭湯でのリラックス方法っと理解した。おかげで浴室で1時間半をゆったり過ごすことが出来た。

「捺染」の湯?

ふと「満天の湯」の掲示物を見ると、とっても興味深いことが書いてあった。
銭湯としての開業は25年ほど前で、それ以前は捺染(なっせん)」の工場だったという。
<捺染は、型紙を用いて染料をすり込んで模様を染め上げる染色法>

昭和30年代からこの一帯は捺染工場が多く、帷子川で布を洗っていたのだという。最盛期には市内に130の捺染会社があったが、現在は15~6社。

横浜と捺染

捺染の始まりは浮世絵の版画。
木を彫った木版を型にして布に模様をつける木版捺染。その後、にかわで頑丈にした紙に絵を描いたものを型紙とし、刷毛で刷りこむ“更紗(さらさ)捺染”が生まれ、今の“スクリーン捺染”の基礎になった。
スクリーン捺染では、色ごとに使う型を変えて、ひとつの図柄が出来上がるという仕組み。技術の進歩によりオートスクリーン捺染機もできた。

貿易港として開港した横浜には多くの商人が集まり、生糸市場として躍進した。明治8年以降、横浜から絹ハンカチの輸出が行われるようになると、捺染技術を用いたハンカチやスカーフの製造が、地場産業として定着していった。

染料を生地に染め付けた後、余分な染料と糊を落とすために水洗が行われる。
横浜には、大岡川、帷子(かたびら)川の2つの清流があり、捺染の発展の上でも大きな役割を果たしたという。

源泉利用によって「銭湯」へ

記事転載します

「満天の湯で使用している源泉は、もともと染色業だったころから湧いていたものです。お湯にはうっすら色が付いていたため、染色業としては使えずに置いてあったものでした」

その後、染色の工場は秋田へ移転。跡地を活用できないかと考えたところ、沸きだしている温泉を利用することになったのだという。源泉の温度は17度と低めだが、含まれている成分が温泉として認められる濃度だったため、加熱して使用しているそうだ。温泉を使用しているのは露天風呂のみ。https://hamarepo.com/story.php?page_no=1&story_id=4065

「モリヤマ捺染」が上星川で創業当初、染め物水洗に工場近くの帷子川を利用していた。しかしそれが川の汚染につながると問題視されるようになり井戸を掘ることにした。60mほど掘るとめでたく水が出たが、真っ茶色の水。成分分析するとそれは温泉水だった。
水洗に適した水の確保には、国鉄が近くの山にトンネルを掘削した際に溢れ出た伏流水の権利を獲得し、その水を引き入れることで解決を図った。
1980年代に台頭したモノトーンファッションの流行により、捺染の仕事は苦境に立たされ、新しいビジネスへの転換を模索した。
行き着いたのが「温泉」と「山から引いた清澄な水」。温泉水と自然水を使った温浴事業への手探りの挑戦「天然温泉 満天の湯」をスタートさせた。

「捺染をやっていた頃、地域の皆さんに迷惑をかけることも多々あった。今こそその恩返しをするときである」。地域活性化のためになるなら、この満天の湯をどんどん利用してほしい。

https://www.moriyama-inc.co.jp/omoi/

スパ銭には、物語があった

満天の湯の「入口」には、とつぜん江戸風情のセットが待っていた。
脱衣所ロッカーは浮世絵風。「…?」なんでやねん。


浴室の壁面には東海道五拾三次の宿場マップがある。そういえばこの辺りは東海道の保土ケ谷宿だった。ここは「健康ランド」とか「ヘルスセンター」とも呼べる施設だが、地域住民を楽しませ、身近に感じてもらいたいという思いが伝わってきた。

「みうら湯」の場合も、元は「海洋深層水」。
「満天の湯」は「捺染の水」だった。

施設の由来をたどると面白いってことが、よ~く分かったよ。

おわり

 

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