08/11 Wスズキ展

美術

「鈴木・佐藤は犬のくそ」とも言われる。
これは日本で非常に多い苗字を卑俗に表現した言い方。
鈴木英人の世界展」・「鈴木のりたけ 大ピンチ展」
2025年8月、横浜高島屋で「鈴木」姓の作者による2つの展示会が同時期にあった。
私が知ってる鈴木姓の画家は、江戸時代後期の琳派「鈴木其一」だけ。
そんな鈴木姓が、2人そろって展示してたから珍しいって思ったわけだ。
今日は、その二つの展示会の感想です。

どっちがドッチ?

「高島屋で鈴木英人展をやってるよ、無料だって。」と奥さん。
「鈴木エイジン…? なんだそれ。」
山下達郎だったっけ? そのレコードジャケットのヒト。」
「あ~、ナイアガラソングでおどりゃんせってレコードか。」
「そのジャケットは永井博だよ。」
「ん…ナイアガラは大滝詠一だったかな?」
「?…」

鈴木英人・永井博、山下達郎・大滝詠が、ゴチャまぜになって
私と奥さんの会話が、訳わからなくなった。

下画像の、上が「永井博」、下が「鈴木英人」。
私は、これらのジャケットは全部「永井博」だ
と思っていたわけです。

ChatGPTで調べてみた

この4名の中で私が名前を知らなかったのが「鈴木英人」。
だから調べてみた。

<永井博と鈴木英人は、同時代に活躍し、作風が似ている部分があるため混同されることがあります。とあった。

🔹 永井博
イラストレーター・グラフィックデザイナーとして知られ、特に1980年代シティポップの象徴的なジャケットを多数手がけました。青空・プール・椰子の木・ビーチハウスといった、都会的でリゾート感のある風景を得意とする作風で知られます。
大瀧詠一『A LONG VACATION』や『、NIAGARA SONG BOOK』もその代表作のひとつ。

大滝詠一の『ロング・バケイション』といえば、サウンドとともに誰もが思い浮かべるのがあの印象的なアルバムジャケットだろう。誰もいないプール、白いパラソル、そして視界の彼方には水平線と青空。この作品をはじめ、大滝の代名詞でもある一連のイラストを手がけたのが、永井博だ。

🖼️ 鈴木英人
1980年代の大瀧詠一や佐野元春、サザンオールスターズなど、多くのレコードジャケットを手がけたイラストレーター。鮮やかで爽やかなタッチは音楽シーンにも強い印象を残した。カラフルな色使い(青・赤・白が印象的)、クリーンでポップな線画アメリカンライフスタイル(オープンカー、ヨット、リゾート、ビーチ)、光の描写が繊細で、風や空気感を感じさせる

極端なコントラストを醸し出す色使いをされている部分も多いのに遠くから観ると写真を思わせるようなリアリズムがそこにはあり、近くで見ると作品全体に緻密な線が描かれていて写真では有り得ない“風”や“音”や“ムード”を表したと思われる線や色の面があってハッキリと絵だと分かる描き方なのに不思議な透明感や清涼感・シズル感さえ漂ってくる点が観る人を惹きつけるのだと思います。

今回の「鈴木英人の世界展」

7/30~8/4まで横浜髙島屋8階催会場にて開催。代表作から最新作まで、原画・版画約100点を展示販売一枚20~30万円ほど作品が、数えきれないほど売れていた
一つの作品のエディションが50~200枚ある。版画やデジタルプリントだから幾らでも量産できる。作品の多くが5~6点ずつ売れていた。
この販売展はこれまでに、3月/日本橋三越本店、4月/大丸神戸店、6月/京都高島で行われていた。だから全部の売り上げは相当なもんだろうな。


鈴木英人展は撮影禁止、こちらから作品をご覧ください。
▶https://tis-home.com/eizin-suzuki/?utm_source=chatgpt.com

多くの作品はリトグラフ(初期)、シルクスクリーン(90年代以降)だが、私が興味を持ったのは初期の技法。これは細いスミ線の輪郭の上に、数十色の色シートを重ねてカッティングして貼り付ける手法。色付きシートは「パントーンカラーオーバーレイ」って製品。このシートを使ったイラストが一時期は流行してたことがある(今は製造中止)。
その「原画」と、制作解説用のサンプルも展示してあった。

2000年以降の作品はすべてEMグラフ(ジークレー)と表記してある。
「ジークレー」は、デジタルプリントを指す「吹き付け」の意味のフランス語。
でも「EMグラフ」なんて印刷技法は初めて見た。だから後で調べてみた。

<EMグラフとは?>
「EMグラフ」は、鈴木英人さんが2000年以降に開発した独自のデジタル版画技法で、“EIZIN METHOD”の略称。鈴木英人さんがご自身の工房で制作工程を手掛けている点も注目されます。
オリジナルのデジタル版画データを高精細にプリント(ジークレー)。
特定部分や全体に、メタリック箔を付加するための接着処理(箔押しや貼り合わせ)。
箔の定着・定着後の仕上げ工程(圧着やコーティングなど)によって、光沢感を強調
ということだった。
コーティングしてるのは分かったけれど、箔押ししてる個所は気づかなかった。

「鈴木のりたけ 大ピンチ展」

もう一人の「スズキ」は「大ピンチ展」(7/30~8/18)。
娘が孫を連れて見に行きたいというのでお盆の時期に予約した。
TV番組で紹介されたこともあり大人気。子供連れの親子の予約で混んでいた。

入口の行列写真をメールで送ったところ、娘からの返信。
「親子連れが大ピンチ」

おわり

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