「のりたけ氏」のこと
先日「徹子の部屋」に鈴木のりたけ氏が出演していた。
一橋大の社会学を出て、新卒採用のJR東海を2年で退社し、デザイン会社で約9年勤務。その後に絵本作家になった。そんな経歴を徹子の部屋のインタビューで初めて知った。
彼の最初の絵本はシュ~るな内容の「ケチャップマン」。
これは、文芸社の「文化賞絵本部門・個性派賞」受賞作。
はじめから変化球絵本だった。
私は、だいぶ前に彼のことを『しごとば』シリーズの絵本作者として知っていた。
「へ~、面白い切り口があるもんだ」って感心した。
いわばこれは「お仕事図鑑」のようなもので、職業の現場を詳細に描く教育絵本だった。
「しごとば」シリーズは累計33万部を超える大人気作。
2023年1月に「しごとへの道」シリーズがスタートした。
自分のしごとを見つけるまでのリアルヒストリーで、パン職人、新幹線運転士、研究者を収録。
これは「教育・知識」がテーマ。
「大ピンチずかん」が大ブレイク
『大ピンチずかん』が発売されたのは2022年2月、その後続編が2冊出てそれが大ブレイクした。
(第6回未来屋えほん大賞、第13回リブロ絵本大賞、第15回MOE絵本屋さん大賞ほかを受賞)
横浜高島屋での今回「大ピンチ展」の会期後半、はやばやと時間指定予約が完売。会場入口には親子の大行列と、驚くような人気ぶりだった。今後、大阪高島屋、PLAY! MUSEUM(立川)、名古屋タカシマヤの3箇所で開かれる。私は高島屋カードを持ってるから、一般枠とは別のカード枠(こちらは空いてました)を使ってタダで入場しました。
これは…いったい
子供たちは入場待ちの間はおとなしく並んでいた。ところが、入場後はとつぜん活気づいて動き回るようになった。はしゃぎまくり・走り回り・騒々しいことこの上ない。そんな子供たちの変化にはすごく驚いた。
「… 展」とは言うものの、ふつうの作品展とはそうとう違ってた。
絵本のシーンの巨大立体展示や、牛乳をこぼした場面に身体ごと飛び込む没入型体験など、絵本のユーモアを活かした遊び要素に満ちていた。さらに来場者同士が一緒に面白がることができる企画もあった。これらは「ピンチ・エンターテイメント」=ピンチを楽しむ体験型展示なんだそうな。
動き回り・騒ぎまくっている子供たちに対して、随所に配置された展示監視スタッフは微笑んで見てるだけで注意する場面は一度も無かった。まるで幼稚園にいるようだった。
私はこれまで長らく観賞教育や美術館教育に関して考えてきたわけだけど、
この状況を見て、「フ~ム…」ため息をつかざるを得なかった。
まったく違った地平が広がりつつあることを感じた。
動画です
おわり