私にとって、九州のイメージは阿蘇だった。
由布院でレンタカーを借りて、胸踊らせて阿蘇に向かった。
山合いのクネクネ路がどこまでも続き、いっこうに阿蘇の大平原が現れない。
「山ばっかりだ、遠い!」
<そりゃそうよ、九州だもの、広いわよ>
『出川哲朗の充電させてもらえませんか? 』で、高千穂から由布院をへて別府に向かう旅があった。途中の黒川温泉で彼らが入った「立ち湯」を体験した。
<深さ160センチです>
横たえられた丸太にかじりついて足をバタつかせた。
たしかに足が届かない、溺れそうだ。
こんなに深い露天ぶろはどこにも無いだろう。
「出川は、こんな山道をミニバイクで走り続けたのか? あいつスゴイな」と思った。
山間を抜け、やっと大観峰にたどり着く。
外輪山から見たカルデラと阿蘇五岳はイメージどおり(写真)。
さえぎるもの無く水平に広がる広大なスケール。
「ふーむ、北海道みたいだな」
きっと 観光客のみなさんは大感激だろう。
でも私は、 ながらく 道東に暮らしていたから、
こうしたパノラマ的な光景をみても、さしたる感動がなかった。
銀色にたなびくススキの穂波はとってもキレイ。
その中を上り続けて、草千里浜にたどりつく。
2016年の熊本地震、中岳噴火で被災したロープウェイは解体されていた。
火口付近は立ち入り禁止で近寄れない。
終着駅に着いたものの、はぐらかされたような残念な気分だった。
熊本市内に宿泊した。
大学時代の同級生 I さんと、ン十年ぶりに合った。
<オレ、ガンになったんだ>
癌治療と熊本地震の話をいっぱい聞いた。
中心市街地の新たな核と期待される「桜町バスターミナル」が開業したばかり。
開業日の9/14は、県内全域の熊本市電やバスが終日無料だったそうな。
その、おしゃれな巨大複合ビルのすぐ脇のホテルに泊った。
明日は雲仙だ。
あしたにつづく