0118 ドジ野郎は私だった

買い物

「小倉青果店」のこと

半年前のことだった。バスをひとつ手前の停留所で降りて歩いて帰宅中、一軒の食料品店を見つけた。私が普段行く商店街とは逆側で、閑散とした下町のような細い路地に「小倉青果店」があった。ほとんど人通りも無い、こんなところにポツンと一軒で商売が成り立つのか?、そう思った。

「今日はトマトが安いよ安いよ~」「ダイコンが安い … 」40才代の夫婦が店頭で声をかけ続けている。大声を出すでもなくつぶやくように声掛けしてる。客が誰もいなくても声を出し続けてる。今どきはどこも「呼び込み君」なのに肉声なのは珍しい。微笑ましく思いつつ覗いてみた。

こじんまりしてるから店内を一回りするのに2分もかからない。商品の半分は野菜・果物で、それ以外の食料品の値段は普通の小売店レベル、肉や魚はほとんどない。でも、店先の道路にはみ出し並べてある野菜類がすご~く新鮮だ。その上にメチャ安い、2~3割は安かった。
これまで贔屓にしていた「やっちゃ場」の野菜の質が、近ごろレベルダウンしてガッカリしてたから「こりゃ、良い店を見つけた…ぞ~」って、とっても嬉しかった。

それ以来、自転車なら数分だから野菜果物類が必要な時は、まず「小倉青果店」だ。それから「割れせんべい(市価の半額)」と「鳥取らっきょう」もここが最安値だ。「小倉青果店」へ向かう際にはいつも心がウキウキするな~。

落とし物

今日も、店内を楽しみながらゆっくり一回りした。
レジ脇まで戻ったところでバアさんの声が聞こえた…
「買い物袋が、落ちてたんだけど~」
だいぶ年配のご婦人がレジに届けにきてた。

「買い物に来たのに買い物袋を落とすなんて、ドジな野郎だな…」
そう思って声の方を見たところ。

「ゲっ!、私の袋だ。」
慌てて自分の肩を見るとバックが無い!

冬場だから上着がダウンのモコモコだし、小銭を入れたバックと布製のエコバックの2種類を肩にかけてたから、そのうちの一方を落としたことに気付かなかった。
店内に、他の客はいないから該当者はワシしかいないはずだわな。

「あっ、すいません、それ私ので~す。ありがとうございました。

ドジ野郎は私だったよ! まったくモ~情けない!
帰り際、ばあさんにもう一度お礼を言った。

その後分かったこと

「小倉青果店」は市場仕入れの野菜を中心に、いろんな料理店等へ軽トラでの配送がメインだという。少し手前にある倉庫のようなところで3人ほどの兄さんが一日中荷詰めしてる。向かいの駐車場には軽トラが…。


加えて近くには「小倉青果店」の立派な看板つきのビルがある。「グリーン小倉」なるワンルームの貸室なそうだ。

商店街とは離れた場所で、単独で商売やっていけるんかいって気がかりだったケド、
う~む。
しっかりと経営してるんで感心した。

タイトルとURLをコピーしました