強風で欠航か…!?
私は星空が大好き(…誰でもそうか)。
かつて、知床付根にある斜里岳へ山スキーで登ったことがある。清岳荘だったかな?山小屋で見た真冬の星空は凄かった。まさに満天の星、天の川がクッキリ見え、身震いするほど美しかった。
もう一度その感動をって思ってるわけだ。
2年前の上高地帝国ホテル泊では曇天でダメだった。
竹富島は2018年「星空保護区」に国内で初めて認定された。
これは国際ダークスカイ協会が設ける制度で、認定には屋外照明に関する厳格な基準を満たす必要がある。だから今回こそはもう一度…あの星空をって期待した。
でもまたダメだった。それどころか星がウンヌンの話じゃなかった。
夕方の海辺では見惚れるほどの好天だったのだが、深夜になり急に強風が吹き始めた。窓からみる芭蕉の葉が怖いほど左右に大きく揺さぶられてる。スマホで確認すると風速15mだった。
「おいおい、明日のフェリーは大丈夫かな~?」
私は気が気でなかった。
「欠航したら、石垣島からも来れないんだから、またここに泊まれるから平気よ。」
奥さんが言った。
「あ… そう考えれば良いのか。」
とは言え、小心者の私は気になってあまり寝られなかった。
朝食
ホテルの朝食がバイキングだと、欲張りでケチな私はウロウロ集め廻ってけっきょく何を食べたのか分からなくなる。だからこうしてセットになった朝食の方が安心して食べられるから好き。
マンゴ~ジュースがおいしかったけど、ここの朝食はふつ~だった。
朝の散歩で一廻り
さて2日目の朝は、雨も上がって風速6m。
朝食後は約1時間の散歩、集落をひとまわりした。
< ホテル →なごみの塔→ 竹富小中学校 → 郵便局 → 高那旅館 → なごみの塔 →ホテル >
集落の道は車一台がやっと通れる路地のような狭さ。サンゴ石灰岩の野面積(のづらづみ) の石垣(グック)によって囲まれて、白いサンゴ砂が敷き詰められた道が迷路のように続いてる。地図をたよりにうろつきながら、のんびりゆっくり歩いた。
あちこちでホウキで掃きそうじしてた。これは「朝清掃」って言って島民の習慣だそうな。
朝8時前だから観光客はまったく居ない。
こんなのどかな散歩なんか、石垣島や沖縄本島では決して出来ないと思ったな。
<散歩動画は後日作成です>
散歩の一番目的は端っこにある「旧与那嶺家住宅」まで行くことだった。
これは、主屋「フーヤ」と台所「トーラ」後方にオーシ(豚小屋付便所)があり、2007年に竹富町で初めて国の重要文化財として指定を受けた住宅。これだけは見ておきたいと思ったな。
旧与那国家住宅は、竹富島の東屋敷集落に所在し、主屋である「ふーや」と、台所棟である「とーら」を並べた、分棟型の住宅である。「ふーや」は沖縄地方の伝統的な間取りで、大正2年に建てられており、「ふーや」の正面には、石積の「まいやし」が建ち、宅地周囲に「ぐっく」と呼ぶ石垣を巡らせている。
旧与那国家住宅は、「ふーや」と「とーら」を中心とする住宅の構えを良好にとどめており、また、竹富町竹富島伝統的建造物群保存地区の核となる住宅で、竹富島における近代の住居形態と生活様態を理解するうえで、高い価値がある。なお当住宅は、国内最西端の重要文化財建造物である。
<文化遺産オンライン>解説より https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/177442
途中で、水牛の出勤に出くわした。2頭を連れてゆっくりと仕事場へ向かってる。
小中学校があった。こちらは小学校かな。
周りの道路を子どもたち全員で朝掃除してた。「毎日掃除するの?」って尋ねたら「毎日じゃない…」って小声で応えてくれた。
「卒業おめでとう」の掲示板。
そういえば3月半ばだから卒業のシーズンだ。
水牛車のガイドさんが説明してくれた。
< 高校が無いから中学校を卒業すると、みんな島を出ていくんだよ。
その時は、島民全員が港に見送りに行くんだよ。それで船が出ていくと子供たちが追いかけて海に飛び込むんだ。それはそれは感動的なんだよ~ >
「なごみの塔(下写真)」は、島内で最も高い場所にあるコンクリートの展望塔。当初は集落内に連絡事項を伝えるためだったもの。今は塔自体に登るのは禁止されてる。あまり高くないようにみえるが、途中から見下ろすだけでも赤瓦の家並みを一望することができた。
<竹富島、名前の由来>
沖縄本島からもっとも早く渡来したのは「タキンドゥン(他金殿)」の一族。竹富という島名は「タキンドゥン」→「タキドゥン」→「テードゥン」に漢字を当てたものとか。
<竹富町竹富島>http://kankodori.net/japaneseculture/buildings/085/index.html
竹富島から石垣島へ
竹富島にいたのは約20時間。
食堂探してバス乗って、浜辺を歩いて水牛車。西岸壁で夕日見て翌朝散歩した。
すご~く濃密な時間だった。
もう思い残すこと無いってフェリー乗り場に向かった。
ホテル送迎車に乗った際、兄さんに聞いてみた。
「昨夜は風が強かった。石垣島へのフエリーは、年に何回くらい欠航するの?」
「う~ん…台風以外は、2~3度ですね」
相当強風でもフェリーは運行するようだナ。
港は風速6mでやや波が立ってる程度だが、遠方の島へ向かう便は欠航だった。
フェリーは、今度もまた猛烈なスピードで石垣島へと向かった。
コロナ後の今、ホテル値段が上がってる
ところで今日は5/02、GWの真っ盛り。
ネットで、ホテル検索してた奥さんが言った。
「ホテルがどこもかしこもバカ高い。ああいうことはモウ無いんだ … 」
近頃、ホテル値段がずいぶん高騰している。
< 退職後は、毎日が日曜日・毎日がGW、いつでも旅行できるから… >
いつでも行ける、いつか行こう、世間ではそう考えるようだけど、
「年取ったら体にガタがくる。そのうちに旅行すら行けなくなる。」
「今のうちだゼ~、遠い所から行っとこう」とばかり、
九州・山陽・山陰・上高地・軽井沢・富士山5合目・南伊豆、そして奄美大島と。
周りが自粛中の3年間、私たちはワクチンも打たずにせっせと旅行した。
観光客ガラ空きで快適だった。
コロナ自粛中は、高級ホテルでも相当安かった。
「ああいうこと」とはそのことサ。
つづく