鎌倉で「萩」
先日は、せっかく向島百花園まで行ったのに萩の花が見られなかった。
「萩の花ってどんなんかナ~? 色は?形は?」
萩の花への思いは、いっそう募るのだった。
「鎌倉タイム」なるHPに「〈萩〉鎌倉の萩めぐり」という案内があった。
よーし、これを参考にしよう。
ということで、北鎌倉駅をスタートして、以下のコースを歩いた。
浄智寺
鎌倉五山の第四位の寺
(鎌倉五山は鎌倉にある五つの禅宗の寺院。建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺の5つ)
池を越えて参道を歩く、長い石段を登ると山門に着く。
山門は鐘楼(しょうろう)を兼ねた珍しいもの。口径70センチ程の梵鐘が下がっている。
「お~これが萩か!」
石段の両脇に、こんもりと茂った枝に赤紫色の花が咲いていた。パラパラと散漫でもう一つ味わいが無い。この寺の萩は,ミヤギノハギが中心だった。
「長寿寺」わきの萩
長寿寺は、足利基氏が父の足利尊氏供養のために建立したもの(長寿寺の名前は、尊氏の法名が長寿寺殿といわれたことから。)普段は公開されていないが、季節・曜日限定で公開を行っている。春はあじさい秋は紅葉の名所でもある。
「長寿寺脇の萩」と言われるだけあり、亀ヶ谷坂切通に向かう坂道の土手に、白・紅・ピンクが混ざって咲き誇っている。すごいボリュームだ。
この坂を登り、海蔵寺へむかった。
亀ケ坂切通
海蔵寺へは亀ヶ谷坂を通る。
<建長寺の池の亀が、たまには世界を見てみたいとこの坂を登ったが急なため引き返し、
亀返り坂とよばれそれが亀ヶ谷坂となった>とか。
鎌倉とその外を結ぶ切通のうち主なものを「鎌倉七切通(かまくらななきりどおし)」と呼ぶ。
<「亀ヶ谷坂切通し」「化粧坂切通し」「巨福呂坂切通し」「大仏切通切通し」「極楽寺切通し」「朝夷奈切通」「名越切通し」>
亀ヶ谷坂は今も急な坂道だけど昔はもっと急な坂道だったよう。、狭く退避場所がないため自動車は通行できないがバイクは走行可能。だから時おりバイクが前から後からバンバン走ってくるから興ざめる。
岩船地蔵堂
亀が谷切通を下った丁字路のところに岩船地蔵があった。日本三大岩船地蔵の一つ、
源頼朝の娘大姫(おおひめ)が、武将争いのせいから「うつ病」になりの20歳の若さで亡くなった。その供養のために建てられた。「岩船地蔵」の意味は船に乗ったお地蔵さん(神の乗り物)をいうそうだ。T字路の隅にポツンとあるから何かヘンだが、海蔵寺の管理。
海蔵寺
海蔵寺は、足利氏満の命により上杉氏定が禅宗寺院として再建したもの。寺名の由来はよくわからんが、「海からあがったお地蔵さま」にちなむ「海蔵寺」が各地にあるから、そのあたりが由来かもね。
海蔵寺は、宝戒寺とともに知られる鎌倉屈指のハギの名所。
山門前の石段両脇を埋め尽くす紅白のハギは、流れ落ちる優美な紫色の滝のようだ。
海蔵寺の庭園は非公開。覗いて見える範囲からは、岩をくり抜かれた「やぐら」が見えた。やぐらは、鎌倉とその周辺地域に見られる「横穴式の納骨窟」。横穴を掘りやすい砂岩だったので、鎌倉から室町時代に多く造られた。こうした巌窟を「やぐら」と呼ぶのは鎌倉とその周辺のみ。
海蔵寺は、「十六の井」や「底脱の井」などの井戸があり水の寺として親しまれてきた。境内の脇を少し歩き手掘りトンネルを抜けると、巌窟の暗がりの中に縦横四つづつ合計十六個の穴が規則正しく並んでいる。穴の大きさは直径70cm深さ50cmほど。それぞれから水が湧き出ており、洞窟正面の壁には観音菩薩像と弘法大師像が祀られている。
雲母(きらら)
雲母(うんも)は、光沢がありきらきらと輝く様子から「きらら」と呼ばれる。
茶房雲母 (https://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140402/14000248/)は鎌倉駅からは歩いて10分。住宅街の小高い丘の上にある「あんみつ店」。百名店で神奈川県スイーツ13位、甘味処全国70位。すごくボリュムのある「白玉あんみつ」を食べた。とにかくデカイ。最初にほうじ茶そして付け合わせの漬物、食べ終わった後にも昆布茶と、フルコース的に提供されて大満足だった。
もやい工芸
日本各地の手仕事の生活道具を取り扱う老舗の工藝店。大きな木と緑に囲まれた入口から入ると、「銀座たくみ」や那覇の「久高民藝店」同様の、とってもステキな器類が並んでいた。
宝戒寺
もやい工芸からのんびり歩いて鎌倉駅へ。駅前からバスに乗り今回の終点宝戒寺まで行った。この寺は、北条一族の霊を弔うため、後醍醐天皇が足利尊氏に命じて建立させたといわれる。鎌倉二十四地蔵尊の第一番。本堂のほかにも、日本最古の木造聖天聖、徳太子堂、徳崇大権現堂、供養の慰霊塔、堂々たる柏槇(ビャクシン)の老木などがにある。本堂に上がって参拝できた。
花の名所としても知られ、特に参道脇のシロハギが有名で「ハギの寺」としても知られる。溢れるように萩が茂っていた。圧倒されるほどの量感で見応えがある。ほとんどが白萩だがピンクの株も混ざってる。加えて真っ白な彼岸花が珍しかった。満開の萩の花を思いっきり堪能した。
レン売
宝戒寺からは、歩いて鎌倉駅へ戻った。私はスーパーが大好きだから駅のすぐ近くの「レン売」へ寄った、「レン売」は「鎌倉市農協連即売所」の略。ここには鎌倉市内近辺の農家が、自分たちで生産した農作物を、自ら販売している農作物直売所。
販売場所は、各班共に毎回反時計回りで移動して<季節ごとに獲れたての旬野菜がズラリと並ぶ市場>ってことで期待したけれど、午後だったからもう一軒も開いてなかった。
扉
電車に乗る前に、昔懐かしのパーラー「扉」でおやつした。。豊島屋経営の喫茶で3階にある。
パングラタン(800円)扉風オムライス(1200円)の2種類を頼んだ。共にホワイトソースこってりだったから重すぎた「もう食えん!」って二人とも残してしまった。
横浜から鎌倉まではJRで30分もかからない。
古都の味わいが楽しめるのだが、いかんせんオーバーツーリズム。街中は観光客で大混雑。
でも、若い観光客が多いから彼らは周辺のお寺さんまでは行かないようだ。
今回歩いた北鎌倉からの寺巡りは空いていて気持ちが良かった。
終わり