「我慢するのは、もう無理だ!」ってことで白内障の手術した。
手術後すぐに視界がひらけた。くっきりスッキリ、よ~く見えるから10才若返ったようだった。
白内障は、むかしは「そこひ」と呼ばれたもので誰もがなってしまう年寄り病だった。今や治療が進歩して安全・簡単な手術と呼ばれてる。でも、眼にメスを入れるなんてやっぱり怖かったな。
手術はぜんぜん痛くなく15分ほどで終わったから、あっけない程だった。でも、<術前の検査・説明>から<術後の養生~検診>まで入れると1ケ月以上、病院通いも8回ほどになる。
私の場合、まだ左目を手術することがある。その時のメモのため、そして誰もが辿る老後の手術かも知れないから、参考までに記録を残しました。
■気づいたのは9年前
「なんか白っぽい」うっすらと右目中央部にモヤがかかってる気がした。「ひょっとすると、これが白内障ってモンかも知れん。」少し気になったから眼科に行ってみた。
医師が5~6人いる札幌のデカイ眼科だった。一通りの検査のあとで女医が言った「加齢性ですね。40才過ぎれば誰でも少しは白内障気味になるんですよ。まだ軽いから、もう少し様子をみましょう。」「あの~何か、お薬とかもらえないですか…眼薬とか。」「眼薬がお好きならお出ししますよっ。」「あ、いえそういうわけじゃ…。」
白内障の原因には外傷性や糖尿病性などもあるが多くは年齢によるもの(加齢性白内障)のようだ。「そうかモヤってきたのは歳のせいか。誰でもなるんなら心配するまでもないか」ということでそのときは済ましたのだった。
それ以後は多少モヤがあっても、あえて気にしないよう心掛けた。ただし普段は運転しないから、旅行でレンタカーを借りた際には困った。運転しながら2~3時間経つと頭がクラクラした。疲労すると左右の視覚調整が利きにくくなるようだった。
本の文字が読みにくいことも困った。印刷文字が紙の白地の上を漂う感じですごく疲れるようになった。ただしモニタ画面の文字は大丈夫で、パソコン作業には支障なかった。
さて退職して4年を経た。ストレスが少ない日々を送ってるわけだが少しづつ症状が進んできた。3ケ月前ごろから急に症状が進んだ。それまでは軽くかかっていたモヤが濃くなってきた。だから右眼を手で覆い、左目だけで視ることも多くなり「もう限界だな」そう思った。
■白内障をネットで調べた
あらためて白内障に関して調べてみた。ネット記事にもユーチューブにも驚くほど多くの解説がある。そのほとんどが「眼科医」による解説だからとても分かり易い。おかげで症状から手術方法まで一通り理解することができた。
▼白内障と手術(日本眼科医会)https://www.gankaikai.or.jp/health/24/index.html
■眼科を探した
「さて、どこで手術しようか?」
白内障手術は、日本で年間に約160万件が行われておりいわば身近な手術。年々進化し「とても安全で結果の良い手術」だといわれる。
だからと言ってどこで手術しても良いわけじゃない。<最新機器>を揃え<手術件数が多い>方が良い。だから個人開業よりもそれなりの規模をもった医院が望ましい。
ネットで「横浜駅近」を調べたところ、候補は以下3箇所になった。
●<F作眼科>
ここにはスーパードクターがいるってことで、横浜市にある眼科の中でもとりわけ目立つ存在。他から見放された患者が全国から集まると言われてる。
●<S鉄ビル眼科>
ここも大人気のようだ。6人の医師のほとんどが慶應医学部出。院長の大高さんは週末は僻地医療にも眼を向けて西伊豆で治療にあたってる。
▼http://www.isao.com/kiji.html ▼ブログ http://www.isao.com/
●<Sカイビル眼科>
規模は医師6人で慶應出が多い。特徴は、横浜駅直結で交通至便、年中無休(休日は1/1のみ)、ホームページがすごく分かりやすく出来ている。
▼白内障手術 https://www.yokohama-eyeclinic.com/hakunaisho_ope
(混雑状況表もある)
■ネットの書込みじゃ分からん!
いわゆる口コミを読んでみても評価は相半ばする。だいたいのところネットで発言する人は、不快感を抱いた人かとても好評価のいずれかの人で、普通の人は書込みなんかしない。だから結局は自分で判断するしか無いわけだけど…。
<以下「Caloo(カルー) – 口コミ」です>
▼<F作眼科> https://caloo.jp/hospitals/detail/2140371060/reviews
▼<S鉄ビル眼科> https://caloo.jp/hospitals/detail/2140367200/reviews
▼<Sカイビル眼科> https://caloo.jp/hospitals/detail/2140368190/reviews
<F作眼科>は、重症者が罹るところで白内障手術で気軽に行くところじゃないと思った。
<S鉄ビル眼科>は、F作眼科同様に激混み・待ち時間がスゴイ感じだ。
よって、アクセス抜群・ホームページ最良の<Sカイビル眼科>へ行くことにした。
■Sカイビル眼科
■診療経過
10/27 予約
初診はWEB予約限定。「白内障術前検査 (初診)」ページで、翌日の予約した(下図は記事記述時のもの)。
初診 10/28(土)14時予約 <術前検査・日程決め>
いっぱい検査して3時間半もかかった
13:50 受付 14:20診察券受領 15:20検眼
15:35 診察:医師の問診「白内障手術希望ならその検査しましょう。準備するから少し待って。」
15:45 点液(瞳孔を開く目薬:効果出るまで30分)
16:00 検査3台(機器を変えて顎を載せて調べる検査)15分ほど
16:20 医師による検査 ライト当て左右上下 その後モニタ画面を示して説明あり「レンズが曇ってますけど目の奥は綺麗だから手術すれば良く見えるようになりますよ。やってみないとわからないけど…」
16:30 眼底写真を撮る
17:00 ~17:20 日程決め 看護師から説明
17:30 会計
手術日候補は最短が11/18で次が12/02だった。前者は3週間後だが私の旅行明けの日だから無理ってことで5週間後の12月2日に決めた。
<費用説明>があった。
70才越えると2割負担の18,000円。3割負担の場合は55,000円だという。私は今年70才になったから、昨年手術するよりも37,000円もオトクになったわけだ。
私は単焦点レンズだから保険適用なのだが、これが多焦点レンズを入れるとなると自由診療になる。この場合は医院が勝手に決めることができるから眼科によって相当の差がでる。<F作眼科>の場合は片目790,000円(税込)とあった。トンデモナク高額だな。
2回目 11/01 16:30予約 <医師から手術の説明>
「手術予定の十数人の患者に対して医師から説明します。時間は1時間ほどです。」と、前回説明の際に聞いた。だから「全員一緒にして1時間ほどの説明があるんだな」私はそう思っていたが違った。
16:20 受付して35分間待った。それで呼ばれたのは私一人。じつは一人づつ呼ばれて医師から説明を受ける仕組みで、待ち時間も入れての1時間ということで、たんなる私の勘違いだった。
16:55 医師から説明 「(モニタの図を示しながら)水晶体の中のレンズだけ入れ替えます。危険度は非常に少なく1.000件に1件です。遠近レンズも有るけれど保険適用外です。」
「メガネには慣れてるから単焦点レンズで良いです」「遠いところはメガネで構わないからモニターがよく見えるレンズにしたい。テレビも見えますか?」って尋ねると、「テレビは無理ですね。」だった。
担当医師はスーパードクターの院長だったが、説明はそれだけ。
わずか3分ほどだった。
「おいおい、それだけかよ」
説明があまりに簡単すぎてガックリきた。<立ち食いソバ>食べたような感じで、<うな丼>食べたような満足感がもう少し欲しかった。事前に自分で調べて知識をもってなかったら、きっと戸惑うだろうと思ったよ。
3回目 11/10 14:00予約 <看護師から説明>
すぐに血液検査した。その後間もなく看護師から説明 20分間
説明は、もう一人おばさまと二人一緒だった。
「スケジュール帳」と呼ぶ10ページを綴じた個人別プリント(下写真)が渡され、それに沿って説明がなされた。
手術3日前から2種類の「目薬」を指すこと。手術後の検診日程、および種々の安静事項に関して、けっこう細かく指示された。それから、術後は防塵メガネをかけてもらうのですがって、「保護メガネ(5,000円)」を紹介された。
これは周囲を覆える水中メガネのようなつくりで、メガネのつるとベルトを付け替えることができる仕組み。でも、いかにもチャチでヒャッキンでも売ってそうだ。「これが5千円?」とは思ったが、「まあ、左目を手術する時にもつかえるから、がまんするかっ」て買うことにした。
説明が済み支払いを終え、隣にある薬局で目薬を受け取って帰宅した。
4回目 12/02(土) 11:30受付 <手術日>
いよいよ手術日だ。でも「どうせしばらく待たされるんだろっ」て開き直ってた。12時過ぎても音沙汰ない。呼ばれたのは12:15だった。ず~と奥の方にある手術室ヘ向かった。「ほーこんなに奥まで部屋があるのか」って驚いた。
荷物をロッカーに入れスリッパに履き替える。手術着に着替えると思っていたから脱ごうとした。「ア、着衣はそのままでい~です。」そう言って、床屋で被せられるケープのようなシートを渡された。でも、うす~い半透明でゴミ袋みたいだ。
待合いには狭いブースが2つあり、そこに座って順番を待った。6帖ほどの空間に診療補助らしき方が3名いる。5分ごとに右眼に麻酔目薬を差しに来る。ペラペラポンチョを被ったままうつむいていたが、なかなか順が来ない。なにかとても悲しかった。
順番が来たのは12:40分、麻酔目薬を4回さされて25分間待たされた。とても長い時間に思えた。
やっと手術室に入れた。「ウッ…」驚いた。
8帖ほどの狭い空間にブルーの手術着を着た人物が6名もいる。なんでこんなに居るのか不思議に思ったが、とにかく人手がいるようだ。辺りを見回す余裕もなく手術台に寝かされた。
<左:Sカイビル眼科の手術室 右:イメージです(他の眼科のHPより転載)>
手術する右目だけを残し、顔全体が覆われた。
さらにそのうえで目の周囲に粘着シートをビチッと貼られた。なるほどこれで瞬きしないようになるわけか。「右目ですよね」手術中に執刀医と交わした言葉はこれだけだった。
ビチュビチュと、さかんに助手が目玉に液体を吹き付ける。どんな作業してるのか分からないのだが、麻酔のおかげで全く痛みを感じない、眼をいじられてることすら感じなかった。
数分して、顔の上に被されている手術ライトの丸い3点の光が突然見えなくなった。
「レンズを取り出したんだな」と思った。それから数分間はビチュビチュかけられてることだけわかるのだが医師がどんな作業してるのか、まったく何も感じなかった。
<横浜けいあい眼科HPより転載 https://www.keigankai.com/>
十数分、突然くっきりした3点の光が現れた。
「レンズが入ったんだな」
「終わりましたよ」ビリビリっと、粘着シートがはがされた。
手術が終わっても、まだ眼球が濡れてるから辺りが滲んでみえる。
すぐに手術室を追い出されたのだが、次第にあたりがハッキリしてきた。
「おお~よく見えるじゃないかよ」感激した。
手術室の隣には暗い小部屋があり、アイマスクした3人ほどがリクライニングシートに横たわっている。ここでしばらく安静にしてるということだ。
「じゃ~私もここで…」って言うと、「今日はこのままおかえり頂けますよ。」
「エッ、帰って良いの?」「あ~この方たちはICL手術の方たちです。」
あとで調べたらICL手術ってのは、眼のなかにコンタクトレンズを埋め込む視力回復手術<眼内コンタクトレンズ>とも言う。この眼科では<白内障>と<ICL>の2種類の手術を土曜日と木曜日午前に行っているという。
「あの~今日は、30人手術するって聞いてたけど…?」
「ハイ、<ICL>さんも含めて30人ですよッ」
ということで私は暗がり安静なしで開放された。
12:55に手術終了。その後簡単な説明をうけて13:15に眼科を出た。
「見える見える」喜び勇んで帰宅したのだった。
ちなみに、ICL手術は片目でも60万円かかるんだって。
5回目 12/03(日) 11:00受付 <手術翌日検診>
10:55受付。今日は直ぐに呼ばれて医師の診察をうけた。
「どうですか?」「ハイ、すごくハッキリ見えて嬉しいです。」
検眼機で光を当てるだけの簡単な検査した。
「大丈夫ですね。いくつか検査ありますからね」
その後、検査技師による3種類の検査をうける。
瞳孔を開ける目薬をさして15分後に眼底写真を撮った。少々待ってから再度医師による検査をうけた。11:45に終了し会計の支払いへ。
手術費18,000円を現金で支払った。
「次回の検査は明日か明後日、どちらにしますか?」
「あさってにします。」
デパートで少し遊んでから帰った。
6回目 12/05(火) 14:00受付 <2・3日後検診>
13:55受付。最初に視力検査した。「C」のどちらが開いてるかってやつだけど、手術した眼は余裕で良く見える。右・左・下、小さくなってもよく見える。すごく小さくてもほぼ見える気がした。
「視力いくつぐらいかな?」って聞いたら
「1.2ですね」だった。
「え~、すごく見えるから2.0かなって思ってたけど、1.2なの?」
「ハイ、レンズ入れて1.2ですよ」って笑われた。
12年ほど前に作ってずっと愛用している遠近両用メガネ(乱視入り)は、手術後の右目に今もピッタリの度数だった。白内障手術後に、新しいメガネを作らなくちゃって考えてたが、まだまだ現役でいけそうだ。
それから10分も待たぬうちに呼ばれて医師による検診。その後2種類の検査のち再度医師から検査報告。「順調ですね」だった。14:30に終了して会計に支払いに行った。
「今日は、支払いありません。」
「ン…無いの?、これは」
用紙には診療費明細1300円って書いてある。
「あ、自己負担2割ですから、上限に達してるのでタダなんです。」
「エ、あの~私の上限っていくらなの?」
「ひと月の支払いが2万円が上限ですよ。ここにホラ、合計請求額は0円って書いてあります。」「診療費明細」とは別の位置に「請求額」の欄があった。
「そ…、そうなのか?」
70才過ぎて、今年から2割負担になったことで手術費が55,000円から18,000円になった。さらに月額支払上限が2万円で打ち止めになった。なんかすごく得した気分だ。
ところで最近知ったのだが、白内障手術は、ひと月のうちに手術すれば、両目手術しても18,000円なんだってサ。大サービスだよな。
今後の検査
7回目 12/09(土)<術後一週間検査>。
それが良好な際は<術後一ヶ月検査>ということで来年1月のはじめ頃になる。
ともあれ、手術後一ヶ月は、3~4種類の目薬をキチンと差すこと。そしてホコリを避け、清潔にして汗掻くような運動は避けることだという。大事をとって術前から今日まで、一滴の酒も飲んでない。この際ついでに今後は禁酒することにしようかな?
ところで今度は、左眼問題発生
手術翌日に感じた、「なんか、左眼の見え方がヘンだ…」
これまではモヤがかかった右眼の視力を補うように左眼が頑張って視ていた。でも右眼がクリアーに見えるようになった途端、今度は左眼に問題が有るってことに気づいた。
左眼の視え方が、わずかながら「黄ばんでる」。そして若干「歪み」があって「滲み」もある。
手術した右眼は「白色は真っ白」く見え、まったく滲みが無い。だから「本の文字」を見ても疲れない。だが左眼で「本の文字」を見ると滲んでしまう。
「左眼も白内障が少しかかってますね。」と、医師から言われたのはこのことだった。
眼でみる行為は、左右が補い合ってるわけだからとりあえず当分は平気だろう。しかし5年後までには「左眼も手術」することになるだろう…って思えます。
交通費
さて、術後一ヶ月検査の先は3ヶ月毎に検査とされている。
6ケ月先ぐらいまでは検査に行こうと思ってるが、そうしてみると通院が十回以上になるから交通費だけでもバカにならない。ところが私の場合はその心配が無い。
横浜市には敬老特別乗車証(敬老パス)制度がある。これは負担金(私は8,000円)を払えば、70才からバスや市営地下鉄が乗り放題になる制度。私は今年70才で、今年からそのパスを持っているのだが、どこと行って使うあても無かったから渡りに船。バス停まで3分で15分毎に来る。だからマンション出てから20分かからずにSカイビル眼科に到着するから楽ちんだ。
交通費の負担も無いし手術費も割安。
う~ん、70才越えると良いことだらけだな。
最後に「費用一覧」を載せておわりにします。
おわり