はやくも8月末。この一ヶ月半はとにかく暑かった。食品の買い出しは朝夕にして、暑い昼間はほとんど外出しなかった。近ごろになり夜半は、やっと窓を開けて寝られるようになった。
「東京駅へ行きましょう。」
「ン…?」
「駅地下やショップなら涼しいから、久しぶりに東京駅へいきましょう。」
「面白いバスを見つけたの。東横線の都立大学駅から東京駅まで一本で行けるバスがあるの。」
路線図を見るとなかなか結構な観光コースだった。
目黒自然教育園、八芳園、シェラトン都ホテル、白銀台、慶應大前、東京タワーなどが地下鉄や列車とは違ったアングルから眺められそう。
所要1時間5分、バス停の数は30箇所、でも運賃は230円ポッキリだ。
日曜日の東横線はガラ空き、30分乗ってから都立大学駅でバスに乗り換えた。このバスは東京駅まで行ける便利バスだから平日は通勤客で混雑するそうだが、休日だから乗客がほとんどいなくて貸し切り状態。
ここが4大結婚式場の八芳園かッ、ここがシロガネー~ゼかッ、慶應の校舎はなんてリッパなんだっ、そして東京タワーを仰ぎ見た。お上りさん状況で「ホ~っ、ヘ~っ」と、アッチにコッチ見上げたり驚いたりしながらの1時間。すごく短かく感じられた。
東京駅と言っても今回はさしたる目的はなったから、私の希望優先で、オアゾの「丸善丸の内本店」、キッテの「インターメディアテク」へ行った。
竹久夢二の肉筆画
丸善ギャラリー(4F)で竹久夢二展をやっていた。初めて夢二の肉筆画を見たのだが、すごく雑で驚いた。夢二は日本橋に「港屋絵草紙店」を開業して、自分がデザインした版画、便せん、手拭いなどの生活雑貨や絵本を販売した商売人だったからいわばデザイナー。絵描きのイメージが強いが、そうじゃなかった。手摺り木版は浮世絵とまったく同じで絵師・彫師・摺師の共同作業。広く知られている港屋版オリジナル版画の繊細で緻密な表現は彫師の仕事で、絵師としての夢二は、あんがい大雑把な人のように思った。
インターメディアテク
「JPタワー」は東京駅から徒歩1分、旧東京中央郵便局跡地にある超高層オフィス。旧郵便局を一部保存したのが「KITTE(キッテ)」。「インターメディアテク(JPと東大総研博物館が協働運営する公共施設)」は、その2・3Fにある。
「インターメディアテク」の呼び名は、各種の表現メディアを架橋することで新しい文化の創造につなげる「間メディア実験館」に由来。ここには東大が収集した、さまざまな学問分野の標本や資料が展示されている。
これまで2度、少しだけ覗いたことがある。今回は少し落ち着いて見てみようと思ったのだが、ウ~ン…私が求める内容とは大きく異なっていた。デパート売り場のようにあまりに整然・キッチリ並べられ過ぎている。
私が好きなのは、整理まえ資料が半分ホコリを被って雑然と積まれた、むかしの郷土資料館のような施設。でも、そんな薄汚い施設は、いまや片田舎へ行かなきゃ無いだろうな。
インターメディアテクは、標本類を並べてるだけで、ほとんど解説も無く配置の関係性も見られない。いったいどこが「表現メディアを架橋」してるのか?理解できないし、そもそも私とは嗜好が真逆だから残念施設だった。
ざっと見動画を作ってみた
ちょっと疲れたから、明日につづく