まず「日本民藝館」へ行った
10月22日に「芹沢銈介展(9/05~11/20)」を観に「日本民藝館」へ出かけた。
静岡にある「芹沢銈介美術館」までは、なかなか行けないけれど東京では芹沢の作品を観る機会が時折ある。
昨年6月、銀座高島屋で観た「柚木沙弥郎と仲間たち展」は、柚木の染色作品を中心に陶芸家や工芸家を含めての展示だった。芹沢銈介は柚木の師匠で型染めの第一人者だから、もちろんそこでも芹沢の作品を観た。今回は規模が小さいが、奥さんが好みということで連れられて行ってみた。
芹沢銈介の作品は、意匠だけでも精緻でステキなのにそれを全部自分ひとりで型染めしていたという。なんとスゴイことか改めてとんでもない人だと思った。
ついでに「庭園美術館」へ
「民藝館」に行くのは2回目だった。民芸館は規模が小さいからすぐに観終わってしまう。だからついでにどこかへ行きましょうってことで、目黒の「東京庭園美術館」に行くことにした。
庭園+美術館…?
ここは、アールデコ様式の旧朝香宮邸の建物を美術館として一般公開しているもの。もともとは1933年(昭和8年)に建てられた朝香宮鳩彦王と允子内親王(明治天皇第8皇女)の邸宅だった。戦後は首相官邸、国賓の迎賓館としても使用され、1983年に美術館として開館した。
<庭園美術館のコンセプトは以下のように記されている>
・歴史的建造物である本館の保存とその公開
・装飾芸術に基づく新たな価値を今日の社会に活かす展覧会・各種事業の実施
・「歴史的建造物」、「装飾芸術」、「庭園」を三本柱とする文化的都市空間の形成
しかしながら、ここの庭園を歩いてみて感じた。
なぜ『庭園…』なのか?広さはあるけれど、質的にこのお庭はあえて銘打つほどのものじゃない。
疑問が残った。でも建物の特質から言って「装飾美術館」や「アールデコ美術館」ってのもちょっと変だ。「なぜ庭園と名付けたのか?」他の呼び方は無かったのか? 名称問題は不明だった。
「実用アート」の素晴らしさを味わった
「アール・デコ」はArt (芸術)+Déco(装飾)で「装飾美術」を意味する。もともと「アール・デコ」は量産可能な工業製品のデザインから始まる幾何学性ベースの大衆的な様式だった。「民芸」は生活道具として使われていた民衆のための工芸品のこと。「民芸」も「アール・デコ」も、ともに生活の場で活用される実用の美だった。
「朝香宮邸」においては日仏のデザイナー、技師が総力をあげて建築材料を厳選し、当時のできうる限りの技術を駆使し、宮家に相応しい格調高い独特のアール・デコ建築を創造した。だから「民芸」と同じく「生活の場に生きるアート」といえども、「朝香宮邸」のいずれの調度品も一般民衆にとっては、めったに目にすることができない豪華な代物ばかりだ。
洗練されたアールデコ様式の「朝香宮邸」は、すごくあか抜けてソフィスティケイトされている。それらは「民芸」が持っている素朴さとは対局に位置する。期せずして「日本民藝館」と「庭園美術館」を同日に観て、実用アートの両極を観る思いがした。
でも共に、観ているだけでも幸せな気分にさせられました。
動画にしました
庭園美術館に関して、よ~く分かるWEBページがこちら
https://www.teien-art-museum.ne.jp/archive/index.html
今日の料理
今日は食パンとフォカッチャを焼きました。
おわり