ハッキリ休館だって言ってくれ!
市立図書館の「蔵書検索ページ」を開いて検索したところ「メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む」を借りられることがわかった。これは、<「わからない」と嘆く学生のために「僕が訳そう!」と武蔵美の富松保文氏による新訳 >の書だという。私はメルロの本をいくつか読んでるがたしかにいずれも極めて難解ダ。富松氏がどれほど分かりやすく訳してるのか試しに読んでみたかった。
気温が20度を超え、ホンワカした春の風が心地よかったから久しぶりに図書館へ出かけた。
「アレ?」入口の警備員が来場者に頭を下げている。「え~ッ…ひょっとして休館?」警備員が私に言った。「すみませんねえ、31日まで休館なんです」入口のガラスに一ヵ月間の休館案内が掲示してあった。
帰宅後にWEBで市立図書館を調べたら、すごく分かりにくい<お知らせ>表示があった。クリックするとその説明が表示された。
< 図書館は一部サービスに限定します。予約本の受取と、本の返却ができます。窓口でも、返却ポストでもお返しいただけます。書架への立ち入りはできません。>
おいおい、こんな表記で分かるかよ! ほとんど休館なんだから、分かりやすく 最初に 重要なことを書くべきだ。 たとえば、「休館中です。ただし、 一部サービスに限定します。予約本の … お返しいただけます。」って、補足は後ろにただし書きすべきだろ。私のように気が短い人間は、最後まで読まないで飛びだしてしまうんだから…。
それにつけても、どこもかしこも閉館・休業・休校だ。 図書館ぐらいは この時こそと気をきかせてオープンすべき! ライブハウスじゃないんだから 密集させなきゃいい。 図書館なんていくらでも方法を考えられるだろう。少しは知恵を働かせてほしいもんだ。
しゃーあナイな、花見の下見でもするかと、日の出駅~黄金町駅あたりの大岡川沿いを、自転車を曳いてぶらぶらと散策した。けっこう太い幹のサクラが多くて開花時には見応えがありそうだ 。 まだ つぼみが膨らみつつある状態だったが、これは期待できるぞと思った。
エっ、 大岡川の花見は 全国8位?
帰宅後「大岡川、花見」で調べたところ、ナント< 花見特集2020 お花見人気ランキング 全国8位、神奈川県1位 >とあった。
1位 目黒川
2位 新宿御苑
3位 千鳥ヶ淵
…
8位 大岡川プロムナード
おおッ、こりゃ凄いもんだ。堂々の全国ベストテン入りだ。
でも、「大岡川プロムナード」ってどのあたりのことを言うのだろう。調べてみた。
「大岡川プロムナード」は、弘明寺(ぐみょうじ)駅近辺から鶴巻橋までの1キロ弱を言うらしい。また「大岡川桜まつり」は、そこからだいぶ下流の黄金町駅から桜木町近くの福富町西公園までをいう。だから大岡川に沿って両方をつなぐと4キロにもなる(TOP地図の赤線)。 「大岡川プロムナード」 が 全国8位との理由は、おそらく下流域も含めた4キロにもわたる距離的スケール(規模)にもよるのだろう。
プロムナード の意味は「散歩道」。4キロを散歩するのはちとキツイ。今年は日の出~黄金町あたりの花見散歩にしようと思う。 残念ながら今年は 「大岡川桜まつり」はコロナ中止だけれどもね。
どぶ川転じてサクラ並木へ
さて、今でこそ横浜屈指の花見散歩コースとなった大岡川ぞいのサクラ並木だけど、 昔この川は捺染工場から垂れ流される染料や、家庭排水などが流れ込む、どぶ川だった。横浜の染色工業は、明治の中ごろフランス商人からもたらされ、染色後の洗浄に多量の水が要されることから、大岡川沿いは染色工業にとって好立地であったという。しかし大雨が降ればマンホールから溢れ出し、川沿いの空き地には、廃車が捨てられていたという。
しかしその後、一念発起して整備された。老朽化した橋は架け直され川沿いの歩道に煉瓦が敷き詰められ、桜が咲き乱れる美しい散歩道へと変貌した。
もともとこの辺りは、大岡湾或いは蒔田湾と呼ばれる大きな浅瀬の入り江だった(TOP地図のグレー部分)。17世紀半ばから埋め立てられ、「吉田新田」を始めとする新田開発が行われ陸地化したもの。蒔田公園より下流は、その入り江の北側にあたり、上流からの水を海へと流すため作られた水路だった。だから 大岡川は人工的な排水路だというわけだ…。 花見の予習をしたことで、ひとつ勉強になった。
むかしドブ川、いまや全国8位の桜並木、こりゃ満開時期にゼヒとも見に行かなきゃ…ネ。