0715 ポツンと一軒家

思い出

昨日の放送は「愛知県」だった。
私の実家は愛知県の東ハズレにある「奥三河」の入り口だ。
ヒョットしてと思ったが、みごとに、
実家の裏山をひとつ越えた、なつかしい故郷近辺だった。

TV画面には三河弁とともに、かつて見慣れた光景が広がり、
田を耕して生家を守る実直な次男坊の姿が映し出されていた。
自家用の米や野菜はすべて自作して
柵を作ってイノシシから畑を守り、
アマゴを育てて燻製を作る。
じつは私は退職後に、そんな田舎暮らしを望んでいた。
私にとっての理想的な退職後の姿が、そこにあった。

テレビをみながら
「いいなあ~」と、しみじみ思った。
でも、その裏で
「危なく嵌まり込むところだった」とも思った。

40・50代にみる夢を、退職した60代に叶えたとしても。
その10年後、20年後を予想したら絶望につながるだろう。
リタイア後の「田舎暮らし」「農作業」は簡単じゃない。
いつまでも車の運転が出来るわけじゃない。
買い物は?病気になったら通院はどうする。

想像力を働かせ、
80・90歳になった時の生活を思い浮かべたら、
いくら自分が望んでも、
家内を巻き込んじゃいけない。
子どもたちに迷惑をかけられない。
田舎に住むことはあきらめよう!

「人生の楽園」ってTV番組が毎週ある。
あの番組をみながら、私は思うのです。
「とってもいいね!」「ステキだね!」
でも、10年後、20年後はどうなるの?

私は今66歳。
これからの10年間が楽園の時期だろう。
80歳すぎたら「楽園なんて無い」
そう思うようにして、
千坪の農地の実家を処分し、
都会に住むことを選んだ。

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