1116 葉山のカイ・フランク展

美術館

神奈川県立近代美術館・葉山館は、海辺のまちの小洒落た美術館。 ( 上写真)
2003年10月開館の頃、いちど行ったことがある。小規模ながら、高さのある天井と穏やかな照明が心地よい展示空間を演出している。

開催中の『カイ・フランク展』を観た。
カイ・フランクは北欧デザインの巨匠の一人。ヘルシンキのアアルト大学で家具設計を学んだ後、アラビア社のディレクターを経て、イッタラ社でガラス・デザインを担当した北欧発デザインを代表するデザイナー。
カイ・フランク』展 casabrutus.com {土田貴宏}

2005年12月に所用でヘルシンキに行った際、アアルト大学とアラビア社を視察したことがある。北欧の近代デザインが単なる新規性・商業性だけではなく、伝統や民族性を引き継いだものであることを知って心を動かされた。

 <お高いから、一客だけしか買えなかったの>
5年前から家内がイッタラのマグ&カップを使っている。毎朝、それを見る度に優れたデザインのプロダクツ製品とはこういうものを言うのだろうなナ…と、いつも思っていた。

今回展は、代表作約300点を年代的・形体的に分類整理した展示。
知的に練り上げられた形体がずらりと並べられている。
北欧デザインの巨匠が葉山に 「カイ・フランク」展

「良いものは…良いナ…」ため息をつきながら。一時間以上かけ一つひとつをゆっくりと観た。ちなみに入館料は65歳以上半額の600円。美術館レストランでひとり海辺を眺めながら ランチを食べた。 添物の揚げ野菜が美味しい、ぜひヘルシオで試してみたいと思った。

美術館レストラン

その後、近くの山口蓬春記念館に寄った。
路地奥の高台にある隠れ家のような記念館。ここは美術館と言うより画家の私邸を一般に公開したもので、 作品は3つの小さなお部屋に展示されているだけ。 建築は吉田五十八。基本は落ち着いた雰囲気の和室。洋室アトリエが生前使用時の状態で保存してある。二階のお座敷に上がり窓から眺めた葉山の海が素晴らしかった。
ふだん箱型コンクリートMSで生活してる者にとっては、畳や床の間がある純和風建築は、ヨダレが出るほど羨ましい気がした…ナ。

ところで、葉山館や蓬春記念館に行ったのはオマケ
今日の主目的はかつての知人に会うことだった。

葉山に住む、ETさんのお宅を訪問した。
 <何年ぶりだろ…ネ?> そう問われて
「なん十年ぶりかな… もうわからないネ」と応えた。

時間の感覚とは不思議なものだ。 懐かしさとかいうものなど無く、 長い時間など 飛び越えて連続した時のように思える。 3時間以上話をした。

ETさんは、趣味で中南米産の素材をつかった工芸品をつくってる。奥さんは私と同じ大学の出身で、近ごろはモダンな立体作品にチャレンジしてる。ETさんの屋根裏の作業部屋に案内された。広い家だから屋根裏もけっこうな広さがある。作業机にはじまり道具棚・素材置場や過去からの土産物や書籍類がゴチャマンと詰まっている。「こんなことやってる人がいるの?って、ポツンと一軒家に出てる人みたいだナ」と感想を伝えた。

私は、作品も書籍類もすべて電子化してしまったから実物は全く無い。だからこれまでの実在物を保有してるETさんのようなアナログ生活はその対極にある。
「うーん、羨ましいナ」と思ったのだが、ETさんはもっと羨ましいものを持っていた
 
 <畑に行こうヨ> 近所に借りてる畑へ車で連れていってくれた。
玉ねぎ、じゃがいも、大根、カブ、ピーマン… スーパーで売ってる日常野菜をいっぱい育てていた。 70坪ほどとのことだが、広大だ。
「うッ…羨ましい… 」

 <でも、車がないと動けないし、買い物はけっこう大変だよ>とのことだった。 
私は車ナシの超便利な都会生活を選んだのだから、仕方ないと思う。
さつまいもをはじめいろんな野菜をどっさり土産にもらった。
さつまいも は翌朝ヘルシオで、30分放置プレー調理で美味しくいただきました。

ET農園から頂いた野菜

海岸までドライブし、赤く染まった夕日を二人で眺めた。
美しいものをいっぱい見て感じた、とっても幸せな一日だった

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