1130 みなとみらい秋散歩(下)野毛飲み

横浜さんぽ

初めて、野毛付近に行ったのは5月の金曜日の午後3時頃だった。
「うぅぅうっ!、…ココはいったい…どういう街なんだ…?」唖然とした。

狭めの道路を挟み、両側ほとんどが路面店の飲み屋。どの店も開けっぴろげだから内部が良く見える。すでにけっこうお客が居る。しかもビニールの軒を歩道に突き出してテーブルを設置してるから、客が歩道にまで押し出されてる。まだ明るい午後3時だというのにいたるところで宴会だ。これを昼飲みというらしい。

野毛には、600軒近い飲食店がひしめきあっている。大きく分けると、野毛仲通、野毛小路、国道を挟んで野毛ちぇるる周辺側、野毛坂、都橋商店街、ぴおシティ、宮川町といった感じでお店が点在している。この地は戦後の焼け野原に闇市や露店街ができ、いつしか庶民の憩いの場になったとされる。昔はおっさんの聖地として知られたこの場所が、最近は「野毛飲み」などと呼ばれてブームとなっており、若者も多く訪れ、活況を呈しているそうな。

昼ひなかから、後ろメタさを感じさせずに堂々と楽しく酔払ってる人たちをはじめて見た。これがうわさの野毛飲みなのか… 白昼夢を見てるようだった。
でも、何んとオモシロイ街なんだろうとも思った。

さて、明かりが灯った夜の飲み屋街には昼とは違うレトロなあじわいがあった。
悪質な客引きもいないから安心して店を探せる。

「三浦半島から新鮮な魚や野菜を仕入れている」との入口の立看に惹かれて、『ヤマヤ鮮魚店』
に入ってみた。ここでは、三浦漁港の入札権を持っている仲買人直営の店なので新鮮な魚がたべられるということなので、お刺身の盛り合わせ(1700円、一人前の量にすると880円とのこと)と野菜天ぷら(580円)を頼んだ。

刺身の盛り合わせは結構豪華。カウンター越しに刺し身を調理するのを眺めた。時間をかけてとっても丁寧に一切れずつを盛っていく。料理を運ぶ店員がテキパキと気持ち良い。
出てきた刺身は大きな皿に7種類、それぞれ3切れづつでおまけにナメロウものっているし満足の盛り。
「オオッ、この刺し身は美味いな!」看板に偽り無く本当に新鮮な魚を食べさせてくれた。マグロは見た目よりずっと美味しい。三崎マグロの口直しが出来た。ブロッコリー・茄子・にんじん・サツマイモ・カボチャ・大根と、天ぷらもたっぷりの量。久しぶりに美味しい天ぷらを食べた。
なんちゃって海鮮居酒屋は多いが、ここは居酒屋というよりマトモな和食店だった。もう歳だから多くを飲食したいとは思わない。少し酒も飲んで二人で3900円。お通し代もナシで良心的だった。

野毛には、大衆系居酒屋・立飲み系居酒屋、特にホルモン焼きや串焼き、焼き鳥…イロイロある。
また来よう。

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