0303 月見台から近未来都市へ

横浜さんぽ

不思議なところ

昨年6月、横浜の秘境へ向かうバスの途中のことだった。おかしな光景を目にした。
「ん~…あれは何だ~?」
天王町の住宅街の先に巨大な高層ビルが幾つも見えた。明らかにタワーマンションとは違う。でも保土ヶ谷のこんなローカルな場所に先進的な高層オフィスビルがあるはず無いし。
「この巨大ビル群は…、いったい何なの?」と不思議だった。

後で地図を調べると、そこは 野村不動産所有の横浜ビジネスパーク」なるオフィスビル群だった。10棟ほどの大きなビルが「円形の池」を取り巻いている不思議なところだ。ドラマのロケ地に良く使われているとのこと。そのうちに覗いて見ようと思った。

2月下旬ながらも 20度越えの「5月中旬の気温」というスゴク暖かな日があった。せっかくだから散歩がてらどこかへ行こう。そうだ「円形の池」のオフィスビルへ行ってみようと考えた。ついでに近くに…なにか… オッ【月見台】ってきれいな響きの地名がある。そことつなげて行ってみよか、ということで出かけたのだった。

散歩の行程は以下のよう。
路線バスで【JR保土ヶ谷駅】へ、駅前から坂道を登り【月見台】のてっぺんまで。そこから【ビール坂】を下って【ビジネスパーク】へ。その後、天王町のジョナサンでランチしてから歩いて帰宅。

「月見台」は、けっこうな坂道でした

「保土ヶ谷駅」あたりはすごく起伏に富んだ地域だ。やはり地名に「谷」がつくだけのことはある。多摩丘陵の張り出しに平地が入り込んだ谷だから「坂道」が多くある。箱根駅伝でおなじみの「権太坂」は保土ヶ谷駅を少しすぎたあたりから始まっている。

【月見台】を登り切る坂道はキツかった。
普通の坂道は水平距離で100~200メートル登れば一旦終わるものが多い。しかしこの坂は登っても登っても傾斜が終わらない。「学園通り」とか「東富士見坂」と呼ばれる二車線の道路だが、丘のトップにたどり着くまで延々500メートルもある。高低差は60メートル、これはキツイよ。道の両側にはズッと民家が連なっている。こんなに長い坂道に住んでる人々はどんな人たちなんだよ!
スーパー地形というアプリで断面図を作ってみた。キツイはずだ水平距離で500メートルの間、ずっと同じ傾斜角が続いている。

上りがあれば下りもある。今度は「ビール坂」を下った。
「ビール坂」とは奇妙な名前だが、この坂はかつて【大日本ビール会社】(現在のアサヒビールやサッポロビールの前身)の本社工場があったため「ビール坂」と呼ばれるそうな。いま問題にしている【横浜ビジネスパーク】は、この広大なビール工場跡地を大規模開発したものだ。
ビール坂の方が傾斜はややキツイが距離は短い。下っていくと「ビジネスパーク」のビル群が目の前に見えてくる。

近未来都市を見た

こんなところにこんな街が!こりゃまたスゲ~や。

ここが竣工したのは30年前。バブルの最中だったから施設のすべてがバブリー。東京にはこうした集合的なオフィースビル群はいくらでもあるが、ここは敷地がゆったりとしていて圧倒的余裕がある。ビル周囲には緑も多く、むしろ広々しすぎて空間的にスカスカしてる。
さすがにバブル建築だ、まだピカピカで新品のようの見える。とても30年も経過した建物や施設とは思えない。

ベリーニの丘

敷地中央にあるのがイタリアの建築家マリオ・ベリーニ設計の「ベリーニの丘」
浅く水が張った池のような円形の水場があり、そこに向けて緩やかな段々になった石段がある。半円形のぐるりは回廊のようになっていて、その上の方に木々がある。幾何学的で規則的な構造はローマのコロッセオのようで、どうみてもイタリア人の感覚だな。そういえば山梨県の「リゾナーレ小淵沢」もベリーニの設計だ。
水鏡となっている円形の池は貯水池の機能を持っているが、排水することにより多目的ステージとなり、CM やドラマのロケ,コンサートや各種ショーイベント等が行われている。

ロケ地として知られるのはプロモーションビデオB’z 『ねがい』仮面ライダー・スーパー戦隊だが、ビジネスパークで撮影されたドラマはそれ以外にもいっぱいある。

あ、アートが…

この一帯は「横浜ガレリア」と名付けられ、ビルの内外のいたる所にアートがある。

< ここで働く人々はもちろん訪れる人々すべてにゆとりや潤いを与える本格的アートギャラリーです。基本コンセプトは「ユーモア」。ここは、都市と芸術がとけあった一大アート空間 … > 

■示しきれないから、紹介ブログを見てください

野村総研は給料がスゴイ

ここを経営してるのは野村不動産。だからここには民間シンクタンク「野村総研」が入っている「野村総研」は、リサーチ、コンサルティング、ITソリューション、システム運用等をトータルに提供する会社で、社員の給与水準が極めて高いことが有名

「野村総研」の平均年収は1235.2万円
20歳代で630〜680万円、30歳代で970〜1020万円、40歳代で1250〜1300万円という。
経営コンサルタント職のみだと平均年収は1,400〜1.800万円。部長などの役職に就ければ、40代以降で年収2,000万円以上。

若手の間は住宅手当が毎月6万円。それらを含めると外資系企業と同等以上の待遇を得ているということだ。スゴイね。

おわり

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